日蓮宗
「過疎」よりも信仰継承を
近隣住職がいなくなる中で
日蓮宗に限らず、過疎問題への取り組みが急がれている。そんな中、周辺の有住寺院が住職逝去後、全て代務となっている過疎地において、10 年間無住だった寺院を再興している教師がいる。
合併した福井県南越前町の大部分を占める旧今庄町地域には、日蓮宗寺院が5ヵ寺ある。そのうちの妙法寺は10年間、住職がいなかったが、11年前、大学を卒業後、各地での修行を経た竹澤即英氏が住職に就任した。(写真)
同地は日蓮宗の高僧である日像上人が京都に上る際に立ち寄り、他宗寺院を折伏して転宗させたとされ、「越前法華」のいわれが残る。浄土真宗の地盤だが、一部に法華信仰も根付いている。
昔の街並みが残る宿場町は、 かつては賑わっていたが、豪雪地帯で、若い人たちは越前市や福井市へ移っていき、暮らしているのは高齢者がほとんどだ。
竹澤住職が着任してからの10年ほどの間に、地域にあった寺の住職が逝去し、現在、そのうちの3ヵ寺は、他の地域の住職が代務を務めている。もう1ヵ寺は代務も決まらず、竹澤住職が法事などに赴いている。竹澤住職は「そのお寺のわずかに残る檀信徒には、組織で動くという宗門の願いを伝えています」と語り、組織的な動きが過疎地域には何より必要であることを示唆する。(詳細は2019年4月20日号の紙面をご覧ください)