月別アーカイブ: 2019年4月

日蓮宗 「過疎」よりも信仰継承を

日蓮宗

 

「過疎」よりも信仰継承を

近隣住職がいなくなる中で

 

日蓮宗に限らず、過疎問題への取り組みが急がれている。そんな中、周辺の有住寺院が住職逝去後、全て代務となっている過疎地において、10 年間無住だった寺院を再興している教師がいる。

合併した福井県南越前町の大部分を占める旧今庄町地域には、日蓮宗寺院が5ヵ寺ある。そのうちの妙法寺は10年間、住職がいなかったが、11年前、大学を卒業後、各地での修行を経た竹澤即英氏が住職に就任した。(写真)

同地は日蓮宗の高僧である日像上人が京都に上る際に立ち寄り、他宗寺院を折伏して転宗させたとされ、「越前法華」のいわれが残る。浄土真宗の地盤だが、一部に法華信仰も根付いている。

昔の街並みが残る宿場町は、 かつては賑わっていたが、豪雪地帯で、若い人たちは越前市や福井市へ移っていき、暮らしているのは高齢者がほとんどだ。

竹澤住職が着任してからの10年ほどの間に、地域にあった寺の住職が逝去し、現在、そのうちの3ヵ寺は、他の地域の住職が代務を務めている。もう1ヵ寺は代務も決まらず、竹澤住職が法事などに赴いている。竹澤住職は「そのお寺のわずかに残る檀信徒には、組織で動くという宗門の願いを伝えています」と語り、組織的な動きが過疎地域には何より必要であることを示唆する。(詳細は2019年4月20日号の紙面をご覧ください)

大本山善光寺大本願 報謝の御忌大会を開筵

大本山善光寺大本願

 

岡田唱導師で華麗な法会

報謝の御忌大会を開筵

 

大本山善光寺大本願は 11日、浄土宗を開いた法然上人に報謝する忌日法要「御忌大会」を開筵した。開白および結願の法要は鷹司誓玉法主の導師で勤修し、日中法要は長野教区の岡田玄有如来寺住職(写真)が唱導師を勤めた。平成最後の御忌大会は、新時代を迎える法要にふさわしい華麗な法会となった。

開白法要の締めくくりとなる「十念御授与」の後、鷹司法主が御忌大会を営むようになった歴史を説明し、「500年続く大切な行事で、浄土宗の格式ある法会です。今日の日にお参りいただき、ご縁をいただくことは本当にありがたいこと」と垂示した。

大本願雅楽会の奉演や、大本願布教師会の大髙源明法樹院住職の法話後に勤められた日中法要では、如来寺の檀信徒で外陣が埋まり、内陣両側の脇間には随喜寺院の102人が列座した。参列者で満堂の堂内に奏楽が響く中、導師らが入堂。鷹司法主が岡田住職に払子を伝授し、華やかな法会が繰り広げられた。

真宗大谷派 蓮如上人御影道中の御下向式

真宗大谷派

 

蓮如上人御影道中の御下向式

花で飾ったリヤカーで

 

真宗本廟(東本願寺)で17日、蓮如上人御影吉崎別院御下向式が営まれた。毎年4月23日から勤める吉崎別院(福井県あわら市)の蓮如上人御忌法要に合わせ、かつて上人が北陸教化のために歩いた240㎞の湖西の道のりを、蓮如上人の御影と共に7日間かけて歩く。戦時中や戦後の福井地震の際にも途切れることなく、今年で346回目となった。

阿弥陀堂での御下向式では「御影お腰延ばしの儀」と勤行が営まれ、但馬弘宗務総長が一行を激励し、随行教導の林拡誓立寺住職(石川県能美市)が挨拶。その後、御影を御櫃に納め、供奉人宰領の豊富高宏さん(石川県の野々市市)が御櫃の鍵を受け取った。境内には、のぼり旗が立てられ、多くの参拝者や観光客に見送られながら、「御出立」の掛け声を合図に、花で飾ったリヤカーは本山を出発した。

吉崎別院で5月2日まで営む御忌法要後、再度東本願寺へ向けて出発し、湖東280㎞の道のりを8日間かけて歩き、5月9日に東本願寺で御帰山式が執り行われる。

真言宗豊山派 香港居士林で田代管長の佛生会法要

真言宗豊山派

 

香港居士林で田代管長の佛生会法要

星野総長が長谷寺と観音さまの話を

 

真言宗豊山派は4月4~8日の日程で、田代弘興管長による香港居士林御親化を行った。宗派・本山事務局を含む総勢22人が団員として参加し、居士林林友らと交流した。

6日には受明灌頂を厳修。受者71人が入壇した。7日は、大坑福利会で田代管長が稚児加持を行った。輿上の田代管長を中心に稚児、僧侶などが香港居士林まで華やかなお練りを行い、佛生会法要を厳修した。

引き続き、居士林で講習会を開催。星野英紀宗務総長が「長谷寺観音様の秘密」と題して講演し、林友らは本尊十一面観世音菩薩にまつわる話を熱心に傾聴していた。

受明灌頂は、4年間の管長任期中に一度実施しているもので、田代管長は今年が初めて。「受者たちは大変感激したと話し、中には涙を流している人もいた。熱意をもって臨む姿に、私の方こそ深い感動を覚えた」と話していた。

浄土真宗本願寺派 あそか診療所を移転拡充へ

浄土真宗本願寺派

 

あそか診療所を移転拡充へ

地域のかかりつけ医療機関に

 

浄土真宗本願寺派で、宗派職員の健康管理を担ってきた「西本願寺あそか診療所」(写真上)が、建物の老朽化に伴い、京都教区教務所(顕道会館)北側へ2020年に移転することが15日、分かった。移転を機に「地域のかかりつけ医療機関」を目指し、本格的に「ビハーラトータルプラン」の一翼も担うという。

西本願寺あそか診療所は、1926年7月に発足。98年から、本山北側の本願寺門徒会館1階に移転し、地域にも開放しながら「本願寺の保健室」の役割を担ってきた。運営は独立型緩和ケア病棟「あそかビハーラ病院」(城陽市)と同じ「本願寺ビハーラ医療福祉会」で、建物の老朽化などを理由に出口湛龍理事長が移転を申請した。

移転先となる顕道会館北側の土地(写真下)は約400㎡。本山本願寺が所有しており、本願寺評議会(野村明雄議長)の議決を経て、宗派に20年間無償貸与する。新築建物は宗派が本願寺ビハーラ医療福祉会に無償貸与するという。予算は、宗門総合振興計画推進費の約1憶5000万円を見込む。今年12月に着工し、20年夏にも竣工する。(詳細は2019年4月20日号の紙面をご覧ください)

総本山醍醐寺 太閤閣花見行列を再現

総本山醍醐寺

 

太閤閣花見行列を再現

義演役は山澤實道議員が

 

かつて行われた姿を再現する「太閤閣花見行列」が、総本山醍醐寺で14日に行われた。

当日は時折、小雨が降る天候だったが、珍しい行事を見ようと多くの人が鈴なりになって待ち受ける中、三宝院の唐門から華麗な行列が出発。1960年から続く伝統行事の主役である太閤秀吉役は、京都市内の有名企業からの出仕を得ており、今年はNISSHA㈱の鈴木順也代表取締役社長が務めた。

太閤秀吉と親交が深かった義演僧正役は、山澤實道宗会議員(愛媛・附嘱寺)が担った。(写真)

総本山長谷寺 〝ぼたんまつり〟を開催中

総本山長谷寺

 

〝ぼたんまつり〟を開催中

連日拝観者や宗派寺院団参が

 

奈良県桜井市の総本山長谷寺は、桜と、白や紫、黄色など色とりどりの花が咲き競い、連日多くの拝観者で賑わっている。

4月上旬のある日、登坂高典元長谷寺執事も、40人の団参で山形の自坊若宮寺から訪れていた。(写真)本堂で法要に参拝後、雪に覆われた自坊の写真を職員らに見せ、「えらい違いです」と春らんまんの本山を檀信徒らと共に満喫していた。

居合わせた、同じ東北で福島の大福寺寺庭・熊坂たみ子さんも偶然の再会に驚きながら、「私の寺も約40人で参拝しました。これまで桜の季節に団参に来たことがなくて。こんなにきれいな桜が咲くんですね」と語っていた。

きょう20日からは、ぼたんまつりも開催(5月12日まで)。同日は、ぼたん献花祭が行われ、伊勢辻から大導師の田代弘興化主や僧侶のお練りが出発。本堂で本尊十一面観世音菩薩に献花を行う。花の総本山で、布教師の個性あふれる布教に耳を傾けるのも、参拝者の楽しみになっている。特別法話は、歓喜院などで4月27~5月6日まで。

太子聖燈会の会 「太子聖燈会」を開催

太子聖燈会の会

 

「太子聖燈会」を開催

プロジェクションマッピングも

 

聖徳太子を愛する大阪府南河内郡太子町の人たちが中心となり結成する「太子聖燈会の会」はきょう20日、「太子聖燈会」を同町の叡福寺と西方院、太子和みの庭を会場に午後6時から開く。太子町、同教育委員会、大阪府などが後援する。

叡福寺の金堂前では光の鳳凰が出迎え、西方院では午後7~9時まで阪南大学田上ゼミの協力でプロジェクションマッピングを特別開催。太子和みの広場では「たいし聖徳市」が開かれ、飲食品や当て物などの出店もある。

アジア宗教者平和会議 日本で初の執行委員会開く

アジア宗教者平和会議

 

日本で初の執行委員会開く

行動指向型の組織目指し

 

アジア宗教者平和会議(ACRP)は11、12日、日本で初となる執行委員会(EC)を立正佼成会大阪普門館で開いた。

アジア19ヵ国から仏教、キリスト教、イスラーム、ヒンドゥー教などの宗教指導者ら約100人が参加。初日の開会式で、ディン・シャムスディーンACRP実務議長は、地球環境の破壊や紛争の絶えない世界の平和を追求することがACRPの調整課題だと説明し、「一つの動きや組織で問題が解決するわけではない。一人一人の使命と結びつくビジョンを統一し、言葉だけではなく行動する強い組織を作り、良い循環に変えていかなければならない」と述べた。

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会からは、庭野日鑛会長(立正佼成会会長)や植松誠理事長(日本聖公会首座主教)、黒住宗道理事(黒住教教主)、川端健之理事(立正佼成会理事長)、國富敬二事務局長が出席。植松理事長は受け入れ委員会代表として「我々は神なる存在からスポットライトを受ける存在であり、平和な未来に向けて戦略を取り組む立場」と話した。

主要検討課題の「ACRP/RfP Asiaのガバナンス強化」「組織運営の強化」「プロジェクト実施の展開」を枠組みに、「第9回大会の実施概要、定款の改正」「行動指向型の組織へと変容していくための具体的なプロジェクトの明確化」について議論した。(詳細は2019年4月20日号の紙面をご覧ください)

浄土真宗本願寺派 慶讃法要23年3月から5期30日に

浄土真宗本願寺派

 

慶讃法要23年3月から5期30日に

光淳門主ら高札を除幕

 

浄土真宗本願寺派の大谷光淳門主は15日、立教開宗記念法要(春の法要)の御親教で、2023年に勤める親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要の日程を3月から5月まで、5期30日間修行することを明らかにした。御親教後には、日程を示した高札を両門がそろって除幕した。

法要は、23年の3月29~4月3日、4月10~15日、24~29日、5月6~11日、16~21日に6日間ずつ修行する。

光淳門主は、「法要をお勤めできるということは、親鸞聖人がみ教えを説かれて以来、約800年にわたって、今日の私たちにまで、み教えが連綿と受け継がれてきたことを意味します。私たちは、これからもみ教えを聴聞するとともに、宗門総合振興計画の取り組みを進め、多くの方にみ教えを伝え、来るべき慶讃法要をお迎えしましょう」と〝お言葉〟を述べ、参拝者に本願寺新報の号外が配布された。(詳細は2019年4月20日号の紙面をご覧ください)