九品佛淨眞寺 先代の遺命受け閻魔堂建て替え

九品佛淨眞寺

 

先代の遺命受け閻魔堂建て替え

晴れの落慶法要を開筵

 

浄土宗九品佛淨眞寺(清水英碩住職・東京教区)は16日、一昨年から工事を進めていた閻魔堂の落慶奉告式を営んだ。午前中は、閻魔堂で山内僧侶らが読経し、午後は檀信徒ら約150人が参列する中で、落慶奉告式を龍護殿(本堂)で開筵した。

1966(昭和41)年5月の開山忌から18年間をかけて、先代住職が淨眞寺の大規模改修を行い、閻魔堂の建て替えについては清水住職に託されていた。落慶奉告式冒頭の挨拶で清水住職は、「老朽化した建物の修繕や、重要文化財指定の阿弥陀如来像9尊の修復を優先する必要に迫られ、閻魔堂の整備になかなか取り掛かれない状況が続いたが、平成29年にようやく着手できるようになった」と話した。(写真)

閻魔堂は、2013年に入手した青森産ヒバの原木20本余を用いた。六地蔵石仏正面からの垂直線と、開山堂正面から伸ばした直線が交差する場所に移築し、閻魔大王と開山上人が地蔵菩薩と有縁であることを示した。また、閻魔堂前面の庭園は、三途の川を模した枯山水とし、冥途への旅を表現した。

尊像の正面に置いたさい銭箱にはセンサーを設置し、さい銭を投げ込むと閻魔大王が説誡する音声が流れるようにした。喜捨した女性檀信徒は「ありがたいお言葉でした」と好評だ。

奉告式に先駆けて、総本山知恩院と大本山増上寺の布教師を務める藤井正史氏が法話を行った。毎年、阿弥陀経や観無量寿経などを引きながら即得往生を説いているが、今回は閻魔堂落慶に合わせて冥土への旅と閻魔大王をはじめとする十王の裁きなどを取り上げ、「淨眞寺に閻魔さまがおられるのは、私たちが地獄の責め苦を受けるほど業の深い身であることを戒めるため。そして、阿弥陀さまの本願の力で浄土に往くことを示すため」と話した。