真宗教団連合福井県支部 「倶会一処」の受け止めは?

真宗教団連合福井県支部

 

「倶会一処」の受け止めは?

研修と公開講座で浄土観語る

 

真宗教団連合福井県支部(支部長・茨田隆信真宗誠照寺派宗務長)は7日、研修会と公開講演会を本願寺福井別院で開き、本願寺派僧侶で相愛大学や東京仏教学院で講師を務める渡邊了生氏が「倶会一処」の受け止め方について講演した。

渡邊氏は、会員向け研修会で「親鸞の説示する『真仏土』と『方便化身土』の分別」、公開講演会では「親鸞思想と『倶会一処』の浄土観」の講題で話した。親鸞聖人が「倶会一処」について、はっきりと記していないことを指摘し、「親鸞聖人は教行信証で、『真仏土』と『方便化身土』をあえて分けて記された。お浄土は『色形のない無限の悟りの世界』。亡くなった人に会いたいだけなら、浄土真宗でなくてもよいのではないか。方便化身土の尊い教えと捉えるべき」と自説を展開した。

同研修会と公開講演会は今年で48回目。毎年、会員向けの研修と総会の後、本堂で講演会を開いている。講演会の前には、全員で共通勤行の和訳正信偈を勤め、真宗三門徒派の平光慈門主が「親鸞聖人は教行信証の中で『後悔を残すな』と言われている。今、ここに参加して聴聞する意味もここにある。大切な時間を過ごしていただきたい」と〝お言葉〟を述べた。