浄土真宗本願寺派 千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を修行

浄土真宗本願寺派

 

千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を修行

1300人が平和への願い新たに

 

浄土真宗本願寺派は18日、「第39回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」を国立・千鳥ヶ淵戦没者墓苑で営んだ。大谷光淳門主が臨席し、安永雄玄築地本願寺宗務長の導師で正信念仏偈を勤め、参拝した約1300人が平和への願いを新たにした。

同法要は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起こった9月18日に合わせ、1981年から毎年修行。全国の宗門関係学校の中高生2人が代表して作文を読み上げて「平和の鐘」を打ち鳴らし、東京教区の法中や教務所長ら約70人が出仕して法要を営む。宗派要職者をはじめ、国会議員らも数多く参拝する。

今年は神戸龍谷中学校1年生の進藤直大さんと、相愛高校3年生の勝山里音さんが作文を朗読。進藤さんは、フィリピンで戦死した曽祖父と、父の面影を求めてフィリピンのジャングルを訪れた祖父への思いをつづり、勝山さんは、いのちの尊さを訴えた。

石上智康総長は「平和宣言」で、現代に蔓延する自国第一主義に警鐘を鳴らし、ブッダの言葉を引きながら「仏智に教え導かれ、これを世界中に広く伝え、そのような生き方を積み重ねていくことで、平和への取り組みはより具体的なものとなる」と、国内外の貧困克服への取り組みを進めることを改めて呼び掛けた。

高岡教区の団体参拝で訪れた池内瑞雄円徳寺住職は、教区が前日に築地本願寺で開いた「平和を願うつどい」にも参加。「平和は願うだけでなく振る舞いが大切となる。歴史は繰り返してはならない。本当の意味での平和を実現するためにも、継続して若い世代に平和への願いを伝え続けねばならない」と語っていた。