浄土宗 寺院特別大公開が1日開幕

浄土宗

 

寺院特別大公開が1日開幕

教傳寺など新規14ヵ寺

 

京都浄土宗寺院特別大公開が1日に開幕した。南丹市園部町の教傳寺など14ヵ寺が新たに参加し、公開寺院数は過去最大の89ヵ寺になった。

26日に報道向けの内覧会(写真)が行われた教傳寺は、1619年に園部藩初代藩主の小出吉親公が命じて開山した園部町唯一の浄土宗寺院。吉親公が、泉州(岸和田城)、但馬(出石城)、丹波(園部城)を渡り歩く中で護持してきたことから「三国伝来の阿弥陀仏」と呼ばれる尊像を初めて公開する。また、主夜神、観音菩薩像や、吉親公の坐像、口丹波最大級の阿弥陀如来像なども初公開。小泉顕雄住職は「檀信徒の枠組みを超えて社会と付き合うのが、これからのお寺のあり方」と公開の意義を語った。

浄土宗京都教区が2015年から毎年開催しているこの企画は、開催ごとに知名度が上がり、昨年度の参拝者の内訳は、京都府内在住者が59%、京都府を除く近畿圏在住者が25%、近畿以外在住者が16%だった。アンケートでは86ヵ寺の全てを参拝し、毎年楽しみにしているという声や、マンネリ化しているので新しい企画を考えてほしいとの意見もある。

初参加したのは、京都市内では得浄明院、為因寺、西光寺、行往院、金樹寺、西方寺、大光寺、光傳寺、大信寺の9ヵ寺。府南部では安養院(大山崎町)、専修寺(宇治市)。府北中部では、大圓寺、光忠寺(ともに亀岡市)。毎年、初参加した寺院からは多くの参拝者数に驚きの声が挙がっており、森慶信教区長は「昨年は延べ8000人が参拝された。法然上人のみ教えが少しでも伝わればと思う」と話し、小幡俊成教化団長は「いつも門前を通るけれども拝観できない普通のお寺に参れるのが魅力。近隣の人たちに来てもらって、浄土宗のお寺を心の憩いの場としてほしい。それが、少しでも信仰心の芽生えにつながってくれれば」と語った。