庭野平和財団 宗教へのイメージが向上

庭野平和財団

 

宗教へのイメージが向上

一方で宗教離れは進行

 

(公財)庭野平和財団(庭野浩士理事長)は、「日本人の宗教団体への関与・認知・評価」についての世論調査結果報告を30日に京都市内で行った。宗教界に対する評価やイメージが高まった一方で、宗教離れは進行していることが報告された。

1999、2004、09年の3回、文部科学省の科学研究費により専門調査機関を使って行われた調査を庭野平和財団が引き継ぎ、今年6月に4回目を実施した。

「どんな宗教的な行為を行っている?」に対する回答は、4回ともほとんど変化はなく、普段から座禅やヨガ、経典を読むとしたのは、どちらも5%程度だった。

「具体的な宗教団体との関わりは?」では、「参加したことはない」が80%を超えた。神棚や仏壇を拝む人も、保有率も漸減。東京23区内での神棚の保有は、1999年の74・3%から、48・3%に減少した。

反面、宗教団体への信頼度は、年々、高くなり、特に「神道(神社)」への信頼度は大きく増加した。報告した石井研士國學院大学教授は、「伊勢神宮の式年遷宮行事を全メディアが特集で取り上げたことが、イメージアップにつながったのではないか」と述べた。ただ神棚の保有率が下がっていることや、神宮大麻の頒布数が減っており、「氏子」意識は低下していると指摘した。「新しい宗教団体」のマイナスイメージも、全体的に薄れている。

宗教団体の社会的な役割に関しては、全ての選択肢で数値が増加した。中でも「地域社会の交流や安定に貢献している」「災害時の救援やボランティア活動など社会的に貢献している」が顕著で、阪神淡路大震災以降、宗教団体の支援活動が評価されたと推察される。

また、宗教団体に税制上の特別な措置が設けられていることに対しては、課税に関する厳しい意見は減少した。

これらの調査結果について石井教授は「イメージが向上したのは、新聞やテレビなどの情報に左右されたものと推察され、この数値の変化は神職や住職などの宗教者が関連したものではない。宗教文化は奥深いもので、情報等に左右されるものではないにもかかわらず大きく数値が動く背景には、日本人の宗教文化(精神文化)が希薄になっている証だ」と指摘した。

石井教授は「戦後、70%の人が信仰をもっていると答えていたが、70年後の今は30%を切っている。信仰者は日本人の中でマイナーな存在になりつつある」と述べ、「以前は、家の宗教として寺院と関わることで、個人的にも民衆的仏教の信仰をもったのではないか。しかし、社会構造・家族構成の変化で、家の宗教が薄まってきている。また若い人にも宗教心があるとされるが、1995年以降、アメリカの影響でスピリチュアルなものも宗教性の範疇に含めたが、『情報と消費』で引きつけられているだけで、宗教文化自体は希薄化している。調査に現れた全てにおいて宗教文化、精神文化が薄れている現状を危惧する」と報告でまとめた。