真宗興正派定期宗会 御影堂修復に向け前進

真宗興正派定期宗会

 

御影堂修復に向け前進

基金や特別賦課金などを可決

 

真宗興正派は1~3日、第144回定期宗会(山西俊憲議長)を招集し、御影堂修復や境内地活用に関わる議案を可決した。新たな基金設立や特別賦課の実施が決まったことで、大阪北部地震の影響などで1年以上立ち入り禁止状態が続く宗派の〝シンボル〟修復に向け、具体的な一歩を踏み出した。

上程されたのは、前定期宗会で継続審議となった「浄華堂基金条例」を修正し、浄華堂特別会計から3億円を繰り入れる「興正派基金」の条例や、本山境内活用に向けた外部コンサルとの契約等の11議案と、宗派や本山決算など承認事項12件。

2023年にも修行が見込まれる「宗祖親鸞聖人御誕生850年および立教開宗800年慶讃法要」に、「御影堂等復旧奉告法要」「嗣法就任式」を加えた記念事業特別会計条例と、特別賦課金に関する条例も制定した。

特別賦課金は、僧侶特別賦課金と寺院特別賦課金の2種類を設定した。僧侶特別賦課金は僧侶一人あたり3万円。寺院特別賦課金は、均等割を含む護持口数に1万円を乗じた額を納める。期間は20年月1日から23年6月31日まで。賦課金収入は全て記念事業特別会計に繰り入れる。

御影堂の工事費用は、総額で約2億5000万円と試算。台風被害を受けた表対面所の修復や雨漏り等の対応が必要な研修会館の修復なども含め、事業の総額は約4億円を見込む。

耐震性の問題で取り壊しが決まり、すでに使用を停止した興正会館は、取り壊した後に御影堂修復の資材置き場として利用する方針。跡地の今後も含む境内整備は、新たに契約する外部業者が1年かけて調査などを行い、事業コンセプトなどを立案するという。

なお、継続審議となっていた「深草基金条例」を修正した「興正寺基金条例」は、基金の原資となる深草特別会計へ、宗派が毎年500万円を返済していることなどが指摘され、内局が議案を取り下げた。

三井雅弘宗務総長は「本山の今後を見据えながら、御影堂修復や興正会館の取り壊しなどに早急に取り掛かりたい」と話している。