総本山知恩院 吉水講詠唱奉納大会を開催

総本山知恩院

 

吉水講詠唱奉納大会を開催

講中会員約1700人が登嶺

 

総本山知恩院は4、5日、第68回吉水講詠唱奉納大会を法然上人御堂(衆会堂)で開催し、全国から講中会員約1700人が参加した。新曲「母の祈り和讃」を奉呈し、(写真)それぞれの講中が詠唱や和讃などを奉納した。

法要は伊藤唯眞門跡の親修で営まれ、「月かげの御詠歌」や「開宗和讃」などを唱えて法然上人の遺徳を偲ぶとともに、松濤基道師ら先達を回向した。伊藤門跡は「吉水流詠唱は、法然上人のみ教えを唱えて詠むものであるため、詠唱とお念仏を称える気持ちは混然一体と言ってもよい。皆さんがうたう詠唱の中に入っているお念仏の心が、聞いた人の心に響いて心情を思わせることが教化につながる」と垂示した。

総会では、法然上人の母・秦氏の心情を描いた「母の祈り和讃」の教本を奉呈。詠唱教導師が新曲の心情と節や鈴の位置などを解説し、参加者全員で唱えた。井桁雄弘総本部長は「新曲には、法然上人のお母様の願いが本当によく表れている。この心を次の時代につなげる使命を我々は担っている。一緒にお唱えし、お念仏の中に生かされる喜びを感じて日々暮らしてほしい」と語り掛けた。新曲の教本を奉呈した川中光教宗務役員は「世間では悲しいニュースが流れている。母の愛を大きな声で一緒に唱えていただき、悲しい事件が起きない世の中になってほしい」と話した。千賀琴代さん(随念寺檀信徒・三河教区)は「子どもが就職し、手を離れた時を思い出し、心に響いた」と感想を述べた。

大会では、吉水講70周年を記念するシンボルマークやポスターデザインの募集で採用が決まった辻政明さん(シンボルマーク/奈良教区玉英寺檀信徒)と多田巽さん(ポスター/大阪教区長安寺 檀信徒)の表彰も行われた。また、参加者全員で「秋の御詠歌」を唱和し、近畿圏を中心とした講中44組がそれぞれ和讃や詠舞などを奉納。島津慶子さん(稱名寺檀信徒・和歌山教区)は「楽しく、和気あいあいとうたうのが第一で、1年かけて練習して上達すると達成感がある」と詠唱の魅力を語っていた。