浄土真宗本願寺派 あそかビハーラ病院がクラウドファンディング

浄土真宗本願寺派

 

あそかビハーラ病院がクラウドファンディング

看護師・常駐僧侶の雇用増を

 

浄土真宗本願寺派が手掛ける独立型緩和ケア施設「あそかビハーラ病院」が、このほどクラウドファンディングを開始し、支援者を募っている。第一次目標は看護師と常駐僧侶の年間の人件費となる600万円。僧侶が常駐する緩和ケア病院の存在を広くアピールしながら、患者の受け入れ体制を強化し安定的な収益確保を目指すという。

運営会社「レディーフォー」のサイトで行い、金額は3000円から50万円。リターンは、10周年記念誌や書籍『お坊さんのいる病院』の配布、見学や研修の受け入れ、講演会の講師派遣等を設定した。公募期間は12月20日まで。出口湛龍理事長は「まずは社会へアピールすることが目的。若い世代を中心に協力者を募りたい」と話す。

同病院は、総合病院の緩和ケア病棟などと比べ患者の入院期間が短く、採算が厳しい側面や、終末期医療に携わるスタッフ自体が少なく人材の確保が難しいなどの課題を抱える。

現在は、安定した収益確保のため、同一法人で運営する「あそか診療所」を本山北側から移転し、地域の診療所とする計画を進行中で、来年4月のオープンを目指す。

また、12日には「西本願寺医師の会」と協力し、看護師・介護職を対象とした仏教講座を本願寺津村別院で開き、終末期医療の現場への理解を促進し、仏教と医療が協働する現場で働く人を募る。

クラウドファンディングの説明には、当面の看護師と僧侶一人だけでなく、それぞれ4人を雇用し、5床の稼働を増やす目標を掲げた。出口理事長は「あそかビハーラ病院は、ビハーラ僧の活動の現場でもある。宗派にばかり頼るのでなく、何とか自分たちで収益を向上させながら、寄り添う僧侶の現場をつくりたい」と語っている。