臨床仏教公開講座始まる 令和の仏教を切り開く

臨床仏教公開講座始まる

令和の仏教を切り開く

 

花園大学国際禅学研究所とアジア南太平洋友好協会が主催する臨床仏教公開講座(臨床仏教師養成関西第2期プログラム)が1日から始まった。

河野太通アジア南太平洋友好協会会長は開会の挨拶で、「戦争の時代ではない21世紀は心豊かな時代となるべきだが、果たして我々は心豊かな時代をつくりつつあるのか。まさに真反対」と述べ、今後は多くの心病む人々に対応できる新たな仏教を切り開いていくことが我々の務めと説明。仏教の伝統的な指標と併せ、今日の科学的な成果を勉強していくことが重要だと語った。(写真)

第1回目は丹治光浩花園大学学長が、「子どもたちとカウンセリング―第三者介入と支援のあり方」について講義した。丹治学長は子ども社会の変化は大人社会の変化を映しているとし、情報の多い社会で子どもたちがどのように悩んでいるのかを説明。子どもの問題行動には意味があり、行動の背景を理解するきっかけになると話した。

神仁臨床仏教研究所上席研究員は釈尊の仏教を生老病死の苦しみに寄り添い、ケアをする仏教だったと述べ、「臨床仏教は新しく古い、原点に戻る活動。ゆりかごから墓場までを、日本の仏教は実現していく必要がある」と述べた。

愛知県から講座に訪れた塚本雄高東祥寺住職は「臨床について特別な関心があったわけではないが、檀家さんの困りごとに適切な言葉がかけられたらいいと思った。臨床仏教師はある意味大それたことだが、少しでも自分の身になるとありがたい」と語った。