津観音大宝院 真盛上人の石碑を建立

津観音大宝院

 

真盛上人の石碑を建立

ゆかりの霊場に参拝の場

 

日本三観音の一つである津観音大宝院(真言宗醍醐派)の境内に、天台真盛宗の宗祖である真盛上人の霊場であることを記す石碑が建立され、除幕式が2日に営まれた。

奈良時代からの寺歴を有する同院の不動院に、真盛上人が1490年に滞留し、観音堂のさい銭箱の上にむしろを敷き、人々に念仏を勧めたとの記録が残っている。その後、西来寺をはじめ、天台真盛宗寺院が同地に点在して建立された。今も、宗派を超えて参拝する人は後を絶たない。

津観音には戦前まで真盛上人御木像があったが、太平洋戦争の戦火により消失。2012年に宗派を超えた集まりである「宗祖真盛上人鑽仰会」が立ち上がり、21年に総本山西教寺で営まれる不断念仏十九萬日大法会(聖徳太子、伝教大師の御遠忌を併修)に向けて、石碑の建立計画を進めてきた。

観音堂の正面に建立された石碑は、高さ150㎝ほどで、真盛上人二十五霊場の第15番札所であることを明示。寄進者の芳名と共に写経を納め、全国からの団参や、地域の参拝の際に拝む場となる。河合宣彰会長は「十八萬日の折には、比叡山にある青龍寺に御木像を奉納している。十九萬日には少し早いが、全国からの協力で参拝の折に手を合わせてもらえるよう建立することができた」と喜んでいる。

奉納の話を快く承諾した岩鶴密雄院家は、「戦災で焼けて不動院はないが、境内の中心にある観音堂前が石碑建立にふさわしいと考えた。これを機縁に、より多くの方にお参りいただきたい」と話していた。