浄土真宗本願寺派 「ビハーラ僧」2期生5人が研修開始

浄土真宗本願寺派

 

医療や介護の現場で活躍を

「ビハーラ僧」2期生5人が研修開始

 

浄土真宗本願寺派が医療や介護の現場で寄り添う「ビハーラ僧」を養成する研修会が7日、伝道院で始まった。宗派布教使や龍谷大学大学院実践真宗学研究科の学生ら、男女5人の〝2期生〟が開講式に臨んだ。

同研修会は2017年に開始し、2年ごとに開講。伝道院などで行う座学中心の前期研修と、京都府城陽市のビハーラ総合施設などの実習が中心となる後期研修を約半年間行う。実際に現場で働く僧侶を全国に送り出すことが目的で、男女6人の1期生僧侶は、病院や介護施設等の現場で活動している。

初日は、開講式で竹中了哲副総務が「1987年に宗派のビハーラ 活動が始まって30年以上が経過した。僧侶が病院や施設に職員として携わり、医師や看護師、介護士と協働することは重要。宗門としても活躍を期待している」と激励。講義は打本弘祐龍谷大学准教授と、鍋島直樹龍谷大学教授が担当した。鍋島教授は「ビハーラ僧の役割とは何か?」と受講生に問いを投げ掛け、「必要な時に、そばまで来てくれる〝くず籠〟に徹し、相手の思いを受け止めることが大切」と説いた。

翌日は城陽市のあそかビハーラ病院で学んだ。同病院に常駐する1期生2人の案内で施設内を見学後、ソーシャルワーカーや栄養士ら、病院で働く職員の思いを聞き、医師や看護師らとのカンファレンスにも参加した。

宗派のビハーラ活動に携わり、龍谷大学大学院で臨床宗教師研修も担当する鍋島教授は「ビハーラ僧は伝道を念頭に置く。宗派関連の仏壇がある施設などでは、ぬくもりのある法話を届けねばならないが、病室では聞くことが中心となる。仏さまをいただいて続けることで、〝本物〟になっていくはず」と受講生にエールを送る。

全体を通した講師役となる花岡尚樹あそかビハーラ病院ビハーラ室長は「スタッフといかにチームを組むかが第一。あとは自分自身の宗教性や死生観と向き合うこと」と、研修を通じて伝えたいことを語った。

受講生の岡至さん(大阪教区善照寺)は、龍谷大学大学院実践真宗学研究科の3年生で、昨年の臨床宗教師研修を修了。「まだまだ現場で活動することへの不安が拭えない」と、研修会の受講を決めた。岡さんは「浄土真宗との結びつきが強い研修で、より学びを深めたい」と抱負を述べていた。