総本山身延山久遠寺 信仰運動「共栄運動」とは

総本山身延山久遠寺

 

信仰運動「共栄運動」とは

世界、国内と共生共栄へ

 

総本山身延山久遠寺は、今年から「共栄運動」を始める。発足式が9月16日に行われ、宗内外の来賓や宗内僧侶・檀信徒ら700名が集った。

「共栄運動」は「共に生き 共に栄える」をスローガンとし、内野日総法主を先頭に「立正安国」「世界平和」の具現化を目指す。最終目標は「祖山全域が、お題目と法華経の聖地として全世界に認知される」こと。基本計画は、2021年の日蓮聖人御降誕800年を短期目標に、中期は23年の身延山開闢750年、長期は31年の宗祖750遠忌に向けて推進。計画は2年ごとに達成度を点検評価する。

発願者でもある持田日勇総務は式辞で、運動を始めた理由について「世界のグローバル化がますます進み、考え方や価値観、背景が多様化している。自国優先や人種的優越性を振りかざす人々が増えていることを、なおざりにしてはいけない。日本も多文化共生は逃れようがなく、一切の我執を離れて多様性を尊重し、自他共和の柔和忍辱心をもって事に処していくとするのが『共生共栄』の精神」と述べた。(写真)

また、浜島典彦共栄部長は「祖山身延山を取り巻く状況も、誠に厳しい。人口の減少は檀信徒の減少に直結し、過疎化の進行は地方寺院の存立を揺るがし、宗門の足腰を弱体化させている」と、運動開始の背景に宗教界全体の課題が含まれることを示唆。「日蓮宗僧侶の減少、地方寺院の疲弊、次世代への信仰継続の断絶は、日蓮宗、引いては身延山久遠寺にとって大きな問題となりつつあり、この状況を打破していきたい」と語った。

「共栄運動」は、各宗各教団との連携も視野に進められる。