大本東京本部 出口王仁三郎聖師の耀盌展

大本東京本部

 

出口王仁三郎聖師の耀盌展

東京国立博物館で開催

 

大本東京本部は3~6日、関東の宣教をはじめた出口王仁三郎聖師の作品を味わう東京大本芸術祭「出口王仁三郎耀盌展」を東京国立博物館・応挙館で開催した。(写真)

出口聖師は1916年に上京し、都内および首都圏各地に別院や分院を設立。国家権力による2度の弾圧を受けながらも、綾部、亀岡に次ぐ関東の宣教拠点を開設する基礎を築いた。「広大な大宇宙・大自然こそ神が造られた大芸術作品である」と唱える出口聖師は自然の産出原理と芸術の創造原理の一致を説き、「芸術は宗教の母なり」と独特の芸術観を展開。わずか1年余で耀盌3000点以上の作品を手掛け、大宇宙・大自然の姿を茶盌の中に表現した。

出口聖師の作品は、美術評論家・加藤義一郎氏によって評価され、1941年に「耀盌顕現」と銘打ち日本美術工芸誌で発表された。全国で耀盌鑑賞会が開催され、東京国立博物館・応挙館でも鑑賞会が行われた。今回の耀盌展は、耀盌顕現70年周年を記念し、かつて鑑賞会が行われた応挙館を会場とした。

耀盌展には、「天国廿八」など20点のほか、聖師の墨筆「十二連幅」のうち「光」と「明」を展示。また、出口紅5代教主の作品10点も並べられた。成尾陽愛善宣教部長は「天国廿八は、亡くなった夫・父の行く末を案じていた母子が、亡父のいる天国の姿を思い描いて安心し涙したという逸話もある。信者ではなく、一般の方だったのが驚きだった」と話し、「新緑や紅葉など大自然の風景を見た時に、茶盌の中に描かれた世界が思い浮かぶ」と聖師作品の魅力を語った。

耀盌展に併せて特別講演も行われた。髙木日出喜大本楽天社事務局主幹が「芸術は宗教の母」と題して4日に講演したほか、備前焼陶芸作家の金重有邦氏や、日本大学芸術学部客員教授の金子啓明興福寺国宝館館長が5、6日に出口聖師作品の魅力を語った。そのほか、能楽や八雲琴の演奏会も行われた。