総本山醍醐寺 大元帥法の伝授に必須で

総本山醍醐寺

 

大元帥法の伝授に必須で

理性院流の許可を他派へ

 

今上天皇の即位を祝し、総本山金剛峯寺は2020年に、総本山醍醐寺は21年に大元帥御修法を勤める。理性院流大元帥法を代々相承している総本山醍醐寺座主の仲田順和大僧正が10日、史上初めて他派に対して「理性院流許可灌頂」を行い、真言宗各派も本来の大元帥法を営むことができる ように開放した。

大元帥法は、弘法大師ならびに入唐した常暁和尚が日本に伝え、朝廷に奏上。爾来、天皇即位の折には必ず宮中で厳修されてきた。宮中で廃れた折にも醍醐理性院で護持されてきた。廃仏毀釈が吹き荒れた1871(明治4)年以降は宮中では途絶えたが、醍醐寺では歴代の座主に法流が受け継がれてきた。

近代において金剛峯寺や他寺で大元帥法が修された記録はあるが、理性院にのみ伝えられてきたものが本来であり、二山での御修法開筵を前に、種智院大学の主催で他派受講者にも許可。仲田座主が「醍醐法流の復興の一環」として宗派ならびに山内に伝授した。

記録に残っている前回の大元帥御修法の開筵は慶応年間で、その折りに出仕僧侶には許可されたが、明治以降は醍醐寺座主のみに伝えられてきたと推察される。

現代に真言宗の法流を広めることを願って再興を決断した思いに応えて募集定員をはるかに超え、宗内・山内希望者も含み約200人が「理性院流許可灌頂」を受けた。今後も次第などを復刻して伝授が続く。