浄土真宗本願寺派 新たな生涯聞法体系構築へ

浄土真宗本願寺派

 

新たな生涯聞法体系構築へ

教化団体長らが協議開始

 

浄土真宗本願寺派で8日、新たな「生涯聞法体系」の構築を目指し、さまざまな教化団体長らが話し合う会議が始まった。地縁や血縁が薄れつつある現代に対応し、一人一人のライフスタイルに合った聞法の場の設定などを目指す。

集まったのは、仏教婦人会総連盟、仏教壮年会連盟、仏教青年連盟、少年連盟の団体長ら約20人。子ども・若者ご縁づくり推進室が事務局を務め、現状や課題の共有や、今後の教化体制について、分科会なども設けながら意見交換した。

参加者らは組織の協力体制について、「年齢や性別のくくりではなく、ライフステージに合わせたつながりを考えてはどうか」「団体の垣根を越えた会議やイベントは」などと問題提起。対外的なアプローチとして、「転勤族など、地縁のない人の受け皿にお寺を」「日常的な遊び場となるよう、境内にキッズスペースや遊具を設けてはどうか」などの具体案が出された。また、継続的な情報共有の場を求める声もあった。

「生涯聞法体系」は、大谷光真前門主の伝灯奉告法要時の宗門発展計画で1977年から検討され、83年に発表された。心身の発達段階に応じた聞法の場を提供する取り組みだが、近年では中高生や大学生年代、40代以上のミドルエイジへの対応を検討するなど、新たな展開が求められている。子ども・若者ご縁づくり推進室長の弘中貴之副総務は、「切れ目ない教化体制の構築」を全体の課題として掲げる。

今後は、保育連盟やスカウト指導者会などへも参加を呼び掛け、より具体的な方策につなげる見込み。

弘中副総務は「各教化団体の課題や意見、要望等を踏まえながら、次の時代におみのりを伝えるため、教化団体がどのような形へと進化していくべきかを考える大きな第一歩になったのでは」と話している。