真宗大谷派 城端別院善德寺 文化財調査に取り組むNPO立ち上げ

真宗大谷派 城端別院善德寺

 

文化財調査に取り組むNPO立ち上げ

文化庁・富山県・南砺市の支援を受け

 

真宗大谷派の城端別院善德寺(富山県南砺市)は19日に、NPO法人「善德文化研究振興会」の設立総会を催した。11月1日に県に法人設立を申請し、これを機に同寺所有の古文書や貴重史料の調査解読に取り組み、法宝物や本堂を含む堂宇の国重要文化財指定への昇格も視野に活動を進めていく。

城端別院善德寺は江戸時代、加賀藩の庇護のもと越中の真宗寺院の触頭役として隆盛を誇り、山門、本堂、太鼓楼、鐘楼の四つの建物が県の文化財に指定されている。また、行基作と伝えられる本尊・阿弥陀如来像や、親鸞聖人直筆の「唯信抄」をはじめ、古文書など1万点以上の宝物を有する。

同別院には長年にわたる「文化財護持の会」(黒川紘紀会長)があり、昨年2月の理事会でNPO法人設立に向け、広く活動への理解と資金協力を呼び掛け、安定的な運営につなげることを目的に1000人以上の賛助会員を募ることを決めていた。

設立総会では、「文化財護持の会」を発展的にNPO法人へと移行し、今後は文化庁・富山県・南砺市の支援を受ける形で本格的に活動を始動する意向。亀渕卓輪番は「城端別院は国宝級の什器・法宝物・古文書類を有しており、四つの県指定文化財も含めて国の重文に持っていければ。そのためには歴史をしっかりと解き明かしていかなければならない」と話している。当面は5年の調査期間を設定して進めていく。