真宗佛光寺派常光寺 本堂・庫裏の修復落慶法要営む

真宗佛光寺派常光寺

 

本堂・庫裏の修復落慶法要営む

渋谷真覚門主親修 賑やかな一日に

 

真宗佛光寺派大阪教区の常光寺(佐々木太道住職・大阪市淀川区)は13日、渋谷真覚門主の導師で本堂と庫裏の修復落慶法要を営んだ。佐々木亮一宗務総長ら約150人が参拝し、帰敬式や庭儀式も行われ、賑やかな一日となった。

真覚門主が執行した午前中の帰敬式は10人が受式し、午後から営まれた庭儀式の稚児行列には約40人の子どもたちが参加。朱や緑のきらびやかな稚児装束をまとい、隣接する「くすのきホール」から同寺周辺を練り歩いた。

同寺は鎌倉時代の創建。都市聞法の道場として、毎年7月に「紫陽聞信会」を開いている。本堂を最後に修復したのは1982年。今回は阪神淡路大震災や砂州などの影響で本堂が傾き、2018年5月から約1年5ヵ月の修復工事を行った。

工事では地盤補強に本堂と庫裏を5㎝上げ、柱の下に薬剤を60本投入。床や庫裏の廊下、天井なども取り換え、入り口付近は岐阜県のヒノキを用いて修復した。また着工直後に大阪北部地震や台風21号の被害を受けたことで、大通りに面した塀なども修復することになった。

落慶法要後には、浄土真宗本願寺派の釈徹宗如来寺住職が記念講話を行った。釈住職は「便利になり行く現代社会は、時間にゆとりを持てるはずだが、明らかに忙しく感じる」と話し、長い時間の中に身を置く宗教、寺院には独特の時間の流れがあると説明。「お寺は、世間とは別の理屈で動く。苦しみの中で別の理屈で生きていることは大切」だと伝えた。

佐々木住職は、「修復工事では先人たちや、まだ見ぬ世代と会話をしていると感じた。歴史ある寺院を次の世代に引き継ぐ思いで溢れている」と決意を語っていた。