叡山学院 入母屋の和風図書館完成

叡山学院

 

入母屋の和風図書館完成

13万5000冊収蔵可能に

 

天台宗の僧侶育成機関である叡山学院(坂本廣博院長)は29日、図書館増築工事落慶法要を講堂で営み、関係者の内覧会を行った。

図書館は木造平屋建て267㎡。屋根は入母屋造りの和様式で、筋交いの代わりに格子壁を用いて耐震性を向上した。施工業者の協力で垂木を二重にするなど、趣の深い施設に仕上がっている。内部には可動式の書架を設け、13万5000冊を収蔵できる。

2017年に着工し、埋蔵文化財調査や土質改良工事などで工期が延長されたが、9月に引き渡しを受けていた。

落慶法要は、坂本院長を導師に、教授や学生が出仕し、齊川文泰教授が復刻した声明を用いた差定で営んだ。

坂本院長は「周辺地域とも調和の取れた木造の施設が完成した。今後、数十年にわたって新たな図書を受け入れることができる」と語った。

杜多道雄宗務総長は「宗務庁舎の執務室から工事の様子を眺めながら、どのような建物が建つのか楽しみにしていた。研究への意欲を高めるためには多くの蔵書が必要。知的財産を守り活用してもらうことが、図書館完成の意義だと思う」と祝辞を述べ、水尾寂芳延暦寺副執行は「立派な建物が完成した。今後の学びに期待する」と語った。