浄宗会 法然上人門下の宗派本山交流

浄宗会

 

法然上人門下の宗派本山交流

慶讃事業など情報共有

 

法然上人の法流をくむ各派各山で組織する「浄宗会」は28日、第120回定期会合を総本山光明寺で開いた。

法然上人御廟を参拝(写真)後、主に立教開宗850年慶讃計画などについて情報共有した。会に先立ち、同山の堀本賢順法主は「立教開宗850年を目前に控え、各本山で準備を進めていると思う。私どもも皆さまと一緒に、法然上人門下として歩みたい」と垂示した。

報告では、総本山知恩院の大﨑順敬執事が御影堂大規模修理の進捗状況を述べ、来年4月の落慶法要への臨席を要請した。

大本山増上寺は、開宗850年事業で改修する大殿屋根の瓦志納を今夏から開始し、クラウドファンディングを行う準備を進めている。巖谷勝正秀浩執事は「東京オリンピックでマラソンの折り返し地点が増上寺前で予定されていたが、札幌に移転することに危惧している」と述べた。

大本山金戒光明寺は、久米慶勝法主の晋山を来年に営む。開宗850年事業では、慶讃法要の日中法要で3導師制を検討。来年10月に授戒会や、五重相伝も企画している。

大本山百萬遍知恩寺は、2021年2月に一般に向けて、同年11月には寺庭婦人のための五重相伝を行う。

大本山清浄華院は、真野龍海第82世法主の表葬儀を11月18日に営む。

大本山善導寺は、台風15号で書院のかやぶき屋根が被害を受けたが、重要文化財であり、即時の復旧に取り組めない。その他の諸堂も被災しており、修復費用の勧募も検討せざるを得ないと報告があった。

鎌倉の大本山光明寺では、台風19号で10月12日の十夜法要が中止になった。また、開宗850年を記念して大殿などの修復を予定しているが、台風被害を踏まえて勧募の開始を来年4月以降に延期する。

大本山善光寺大本願は、2021年に善光寺の大開帳がある。開宗850年事業は検討の段階。

総本山光明寺では、立教開宗850年を記念して堀本法主が全国を巡錫し、明治以降初めて五重相伝を開筵する。また、宗費増を避けるために拝観収入の増加策として、バス10台を収容できる駐車場計画を進めている。

総本山禅林寺は、立教開宗850年事業で宗務庁舎のリフォームや信徒会館の建て替えを計画し、また、若手僧侶の感性を活かした新しい企画を導入する。奥垣内圭哲執事長は紅葉シーズンの特別拝観寺宝展について「昨年は24万人が参拝したが、半数以上が外国人観光客であり、将来的に拝観者数が減少することを憂慮している」と述べた。

総本山清浄光寺からは、10月12日に開いた遠忌法要や、台風19号で樹齢700年の大イチョウに被害があったことが伝えられた。

総本山誓願寺は、宗派寺院が多く立地する三河地域出身の倉内賢道法主の晋山式(11月30日)を、宗門と総本山の活性化につなげたい考え。立教開宗850年事業では、トイレの改修に取り組む。

浄土宗からは谷上昌賢企画調整室長が、宗会議員選挙や、宗務庁の構造改革の進捗状況を報告。また、台風15号および19号の被害状況や対応について報告した。