智山派教区代表会 大師ご生誕慶祝事業の勧募好調

智山派教区代表会

 

大師ご生誕慶祝事業の勧募好調

台風被害甚大で義援金を募集

 

真言宗智山派は29~31日、教区代表会(池田英乘議長、布施公彰副議長)を開き、2018年度の決算および19年度の補正予算など18議案を可決した。

布施浄慧管長は就任後初めての代表会で、各地で台風など水害が発生していることに関して、「早期復興により、安穏な日々が戻ることを祈る。天災のみならず、人による凶悪非道な事件が続発するなど憤まんやるかたないが、そこには我執がある。私たち仏教徒は、この悪習を取り除き、自らを律したい」と垂示した。布施管長は11月26~29日に、物故者慰霊と復興祈願のため東日本大震災の被災地を巡錫する。

芙蓉良英宗務総長も施政方針で、台風15号、19号、その後の豪雨で甚大な被害を受けた智山派寺院への支援も含む義援金を12月30日まで受け付けているとし、協力を呼び掛けた。災害対策特別会計積立金を取り崩し、義援金と合わせて配分する予定で、今後、災害復興支援委員会で検討する。

4月から始まった弘法大師ご誕生1250年記念事業の勧募は、5年分割で全末寺に依頼した

「寺院・教会志納金」総額約24億円のうち、9月末現在で約12億円が集まった。その他の志納金もあり、早期に目標を達成しそうだ。

新智積院会館は、地下の貯水槽部分の深さが予想を大幅に上回り、工期が延びて今期分は減額補正とした。11月16日に上棟式の予定。会館建設中で浴室が不足しているが、会館ができた際にも宿泊者と出家者の同浴を避けるため、宗務庁舎内に女子浴室を新たに設ける。工期は12月14日から2ヵ月。また、宗務庁舎屋上防水工事も実施する。

展示収蔵庫は設計を修正中で、今後は文化庁への補助申請手続きに入る。

大正大学の学長に、副学長を務めていた埼玉第9教区の髙橋秀裕眞東寺住職が11月1日付で就任した。同大学は学部改編でカリキュラムが大幅に変更され、教師育成にも影響することが報告され た。

時局対策について、4月1日から別院真福寺に設置した「災害対策室」の業務を宗務庁「災害対策本部」に統合し、時局対策課で事務統括する。

18年度決算は、宗派が収入9億8632万円、支出が8億7688万円。総本山智積院は収入6億4222万円、支出5億6868万円。真福寺は収入4億4997万円、支出4億693万円となった。

議案について質疑応答の後、深澤照生代表、服部融亮代表、大護俊光代表が一般質問を行った。