龍谷大学 瀬田学舎が開学30周年

龍谷大学

 

瀬田学舎が開学30周年

入澤学長と三日月滋賀県知事が対談

 

龍谷大学は26日、瀬田学舎の開学30周年を記念し、入澤崇学長と三日月大造滋賀県知事の対談などを行った。テーマは「仏教SDGs~近江商人の『三方よし』に学ぶ」。SDGsと仏教、浄土真宗に裏打ちされた近江商人の経営哲学の共通点などを話しあった。

対談は越直美大津市長の挨拶後に行った。入澤学長は「誰一人取り残さない」という、SDGsの思想が浄土真宗の摂取不捨と通じる点を紹介。「仏教とSDGsは重なる。また、門徒が多かった近江商人の『三方よし』という発想はSDGsのロールモデルとなる。行政で最初にSDGsへ取り組んだ自治体でもある滋賀県と、浄土真宗を建学の精神とする龍谷大学が一緒に取り組みたい」と述べた。

三日月知事は「龍谷大学が創立380周年に掲げた『自省利他』にも重なる。滋賀県はヴォーリズの布教がなされるなど、多様性に寛容。協調することもまた『三方よし』の実践だったと考える」と、官学連携などについて言及した。

対談後のシンポジウムでは、入澤学長に加え、鷲見德彦大津市副市長、山元磯和滋賀銀行総合企画部部長、車いすで通学する社会学部現代福祉学科3年生の相場咲希さんが登壇。相場さんが「SDGsは、『配慮しています』というアピールではない。行動が変わるための取り組みを」と訴えた。

瀬田学舎は1989年4月に理工学部と社会学部を設け滋賀県大津市に開学。96年に国際文化学部、2015年に農学部を設置した。

入澤学長は「現代社会は智慧と慈悲を二本柱とする仏教の出番。大学は気付く場所であり目覚める場所。創立380周年や瀬田学舎開学30周年を機に、行政や企業と智恵を出し合いながら、より良い社会を実現したい」と語っていた。