天台宗 「一隅を照らす運動」が50周年

天台宗

「一隅を照らす運動」が50周年

記念式典で杉谷義純顧問が講演

 

天台宗は5日、宗派の社会活動を担う「一隅を照らす運動」の50周年記念式典を延暦寺会館で開いた。大樹孝啓会長(書写山圓教寺住職)の導師で法楽を営み、杉谷義純顧問(妙法院門跡門主)が講演。全国の宗派役職者ら約200人が、活動の節目に気持ちを新たにした。

同運動は1969年、今東光氏を会長に活動を開始。「生命」「奉仕」「共生」を三つの柱に掲げて各教区で大会を行いながら、海外の青少年支援や全国一斉托鉢、災害時の募金活動などを進めてきた。50周年にあたり、インドやタイの青少年を招いたほか、絵本制作等も手掛け、記念行事の締めくくりとなる「照隅祭」を2~4日に比叡山延暦寺で開いた。

式典では、理事長の杜多道雄宗務総長、副理事長の小堀光實延暦寺執行、副会長の鳥井信吾サントリーホールディングス副会長らが挨拶。「照隅祭」の協賛企業に感謝状を贈呈した。

杉谷顧問は記念講演で、運動50年を機に運動を総点検して未来を展望することを提唱した。杉谷顧問は活動の発足当時からの歴史を振り返り、自身が宗務総長時代の25周年で手掛けた内容や現況などを紹介。「『生命』『奉仕』『共生』を三つの柱にして、具体的な目標を決めて進めようと考えた。各教区の推進大会は体験発表の場であってほしい。今後は、若くて本気で動けるリーダーを育てねばならない。運動が100年、150年と続くよう、半歩でも前進を」と呼び掛けた。

大樹会長は「若い方々の力で50周年の事業が満願したことを心からお祝いする。次の10年に向け、また新しい出発をせねばならない。若い力に期待したい」と語っていた。