妙心寺派・曹洞宗 花園大学国禅研が永平寺東京別院を視察

妙心寺派・曹洞宗

 

花園大学国禅研が永平寺東京別院を視察

僧堂交流で曹洞宗の御正忌に触れ

 

曹洞宗総合研究センター(志部憲一所長)と花園大学国際禅学研究所(野口善敬所長)は近年、活発な交流を行っているが、10月29日に港区の永平寺東京別院で行われた御正忌に花大国禅研の研究員5人も参列し、法要を視察した。

花大国禅研からは、本多道隆、丸毛俊宏、松原信樹、桐野祥陽、小川太龍の5氏が参列し、曹洞宗総研からは、関根隆紀、小杉瑞穂、南原一貴、石原成明の4氏が参加した。(写真)

現在、両派では「学術交流」「僧堂交流」「布教交流」の三本柱を掲げて交流しており、2016年12月に妙心寺派教化センターも参画する形で曹洞宗総研の志部所長(当時は副所長)と研究員の3人が妙心僧堂の見学と開山忌半斎を視察した。

その後、17年11月には両派と両研究所の交流が正式にスタート。18年6月には京都八幡にある達磨堂圓福寺を両研究員が訪問し、摂心に参加。さらに今年2月には妙心寺派教化センターと曹洞宗総研が共催した「禅宗法式シンポジウム」を花園大学で開催し、臨済宗の開山正当忌と曹洞宗の開山報恩法要とを比較。そして今回は曹洞宗側が招く形で、道元禅師の命日を勤める永平寺東京別院の御正忌に参列した。

曹洞宗総研専任研究員の石原氏は「妙心寺派と曹洞宗とでは、同じ開山忌でもニュアンスは違う。妙心寺派の開山忌は全ての寺院が行うわけではないが、曹洞宗ではどこの寺院でも開山忌を行っている。では、妙心寺派の開山忌に相当するような曹洞宗の行持は何かと考えた場合、御正忌だろうと考え、永平寺東京別院の御正忌を紹介した」と、今回の視察の経緯を説明する。

花園大学国禅研客員研究員の本多氏は「初めて曹洞宗の法要にじかに触れた。臨済宗と同じく曹洞宗も所作を大事にされており、威儀即仏法の真髄を見せてもらった。行持の進行は同じ禅宗ということもあり、理解できた。そして見ていてわかるので、儀式の一つ一つ、お経の読み方など、臨済禅との違いを際立って感じることもできた。法要も日常の所作も、曹洞宗のことを知ることで、我々の日常への理解の深まりを実感できた」と交流の意義を語る。

また食事の時に使う応量器(臨済宗では持鉢)も似ているようで違っており、本多氏は「随意飯という略式での食事だったが、初めて応量器を持たせていただいて使い方を教えてもらい、細かな所作や持ち心地の違いを体験できるなど、良い経験ができた」と喜んでいた。