大本山金戒光明寺 全国代表選抜囲碁大会を再開

大本山金戒光明寺

 

全国代表選抜囲碁大会を再開

吉備観音像のアピールへ

 

浄土宗の大本山くろ谷金戒光明寺は3日、日本棋院子どもの部全国大会の代表選抜戦を兼ねた「京都吉備真備杯囲碁大会」を開催した。

大会は15年 前に、観音33霊場復刻を記念して始めたが、運営上の都合で一時的に中断していた。日本棋院からの要望を受けたことを契機に、吉備観音像を大殿に奉る大本山であることをアピールし、囲碁大会への参加を通じて寺院に親しんでもらおうと、7年ぶりに開催することを決めた。吉備観音像は、中国から囲碁を伝えたとされる遣唐使の吉備真備公が「南無観世音菩薩」と唱えたことで遭難を逃れ、唐から持ちかえった香木の栴檀で造立したという由来を持つ。

大会は、子どもの部の代表選抜戦や、大人の部の有段者クラスなどに分けて行い、引率者を含め例年を上回る100人余が集まった。対局前には大殿で開会式を営み、吉備真備公の遺徳を讃嘆し、棋力の向上を願って吉備観音像を参拝した。(写真)

同寺は今年6月にも、許家元碁聖に羽根直樹九段が挑戦する「第44期碁聖戦」を誘致している。

浦田正宗執事長は「人々が仏教になじむための場となるのが本山の役割。近年は効率ばかり求められるが、徐々に染みついてくるのが本当の縁だと思う。信仰の場であるからこそ、縁につながることを行っていきたい」と語った。