ローマ法王、仏教教団を招待 広島の「集い」38年ぶり来日で

ローマ法王、仏教教団を招待

広島の「集い」38年ぶり来日で

 

ローマ法王フランシスコが24日に広島平和記念公園で開催する「平和のための集い」に、国内の仏教教団など諸宗教の代表者20人が招待されていることが、関係者への取材でわかった。法王は23~26日の日程で38年ぶりに来日することが決まっている。核廃絶の象徴である広島の地に、宗教・宗派を超えた宗教者らが結集し、世界平和の実現を共に願う。

「平和のための集い」に出席するのは、仏教から天台宗の森川宏映座主や浄土真宗本願寺派の大谷光淳門主、江川辰三全日本仏教会会長ら。ほかにも、神道や新宗教など、平和活動を共にした教団代表者らや、日本キリスト教連合会委員長の石橋秀雄日本基督教団総会議長など、キリスト教系諸教団の関係者も招かれている。

法王の来日は、1981年のヨハネ・パウロ2世以来2度目。今回は「すべてのいのちを守るため~PROTECT ALL LIFE」をテーマに掲げている。

24日に長崎爆心地公園で「核兵器に関するメッセージ」を出した後、同日夕刻に広島平和記念公園で集いを行い、25日には東京ドームで来日中最大規模のミサを開催する。

東京ドームのミサには、全日本仏教会、神社本庁、教派神道連合会、新日本宗教団体連合会、日本キリスト教連合会の役員らも出席する予定で、カトリック以外の諸宗教関係の招待者は150人規模となる。

バチカンは1965年、第2バチカン公会議で決議し、「諸宗教対話」を始めた。今回の来日で仏教や神道、キリスト教、イスラム教など多様な宗教の教団同士が交流する日本の宗教界のあり方が、世界の諸宗教対話のモデルケースとなることも期待される。

戸松義晴全日仏事務総長は「全日仏の理念の一つである世界平和の実現は、仏教教団だけではできない。他の宗教とも協力することが必要だ」と、諸宗教対話の意義を強調している。