臨済宗妙心寺派 阪神・淡路大震災25回忌法要を厳修

臨済宗妙心寺派

 

阪神・淡路大震災25回忌法要を厳修

「平和・復興のいのり」を神戸で

 

臨済宗妙心寺派は6日、花園会「平和・復興のいのり」(花園会本部主催)を神戸市の国際会議場ポートピアホールで開いた。全国から約900人が参加し、災害の犠牲者の慰霊と世界の被災者の恒久平和を祈念した。

小倉宗俊管長を導師に阪神・淡路大震災の25回忌法要と全国災害被災物故者慰霊法要を厳修。

花園会総裁の小倉管長は、「いまだに被害を受けて傷ついた方々のことを充分に癒やし切れているとは思っていない。また自然災害は容赦なく我々を襲い、困窮している。苦しんでいる方々に寄り添い、少しでも心を癒やしていただきたい」と挨拶した。

花園会会頭の栗原正雄宗務総長は阪神・淡路大震災のテレビ報道にがくぜんとした日を振り返り、「今年も多くの方が被災され、まだまだ復旧半ば。私たちは生かされて今がある。当たり前と思わず、ありがたく、おかげさまだと感謝できることが大切」と話した。

午後は、神戸市教育委員会が作成した阪神・淡路大震災後の体験や教訓をまとめた「幸せ運ぼう」を上映し、震災当時、神戸市祥福寺の住職だった河野太通龍門寺住職が震災時の体験を語った。

また、神戸元町の中華街で披露される「中国大黄河雑技団」の中国獅子舞、日本のジャズ発祥の地神戸ならではの「デキシーギャング」の演奏が行われた。

兵庫教区宗務所長の川本成吾臨川寺住職は「25年前の震災以降も全国で災害は続き、多くの犠牲者がおられる。想定外ではなく、毎年の備えが必要。犠牲になった方々を弔う意味でも後世に伝え、忘れないようにせねばならない」と語った。

大分県臼杵市から参加した仲野榮子さんは阪神・淡路大震災の1ヵ月後に病気で夫を亡くし、葬儀で被災者の救援金を募ったという。今回は夫の供養も兼ねて参加したと述べ、「夫は生前、災害の救援金を集めようと話していた。私は夫の介護ができたが、災害で亡くなった方々は突然の出来事だった。直接震災は体験していないが、参加することで少しでも共感できると思う」と語った。