浄土宗臨宗 新宗務総長に川中光教氏

浄土宗臨宗

 

新宗務総長に川中光教氏

有効投票69票中46票を獲得

 

浄土宗は19日、第122次臨時宗議会を招集し、宗議会議員6期目の川中光教氏(奈良教区)を宗務総長に選出した。

宗議会議員の任期満了に伴い、新選良70人による初の議会で、新人議員が全体の4割を占めた。

任期満了を機に豊岡鐐尓宗務総長が退任の意向を示したため行われた宗務総長選挙には、川中氏と、加藤昌康氏(東京教区)が15人の推薦人を集めて立候補。選挙は、有効投票69票(無効1)のうち、川中氏が46票を獲得した。川中新宗務総長は豊岡前宗務総長の下で宗務役員を務めており、これまでの宗務行政を継承することが期待されたと見られる。

川中新宗務総長は、1950年生まれ。大正大学大学院浄土学修士課程修了。淑徳高等学校や上宮高等学校で6年間にわたり教鞭を執った。88年當麻寺奥院住職に就任。99年宗議会議員に初当選。旧宗務機構の財務局長や教学局長を務め、2019年4月の機構改革後は宗務役員に就任していた。

就任会見では「前宗務総長が進められた機構改革を完成したものに仕上げたい。また、開宗850年は通過点と考えている。竹に例えれば節であり、風雪にしなりながらもはね返す竹の節目が850年。それを総大本山と共に行いたい。法然上人の教えが末端まで伝わる組織であってほしい」と語った。また、兼務寺院に対する支援と手続きの簡素化を進めて寺院の減少を抑制する取り組みや、宗務庁における働き方改革の推進、共済事業の維持などに取り組むとした。

 

正副議長は村上氏と加用氏

 

正副議長選挙も行われた。議長には村上眞孝氏(伊勢教区)、副議長に加用雅愛氏(広島教区)が就任した。

議長選挙は、有効投票69票(無効1)のうち、村上氏が42票、鈴木氏が24票、その他3人が1票ずつだった。副議長選挙は、有効投票67票(無効3)のうち、加用氏が42票、吉水氏は23票、その他2人が1票ずつ。

村上議長は「議会の役割は、全宗内のコンセンサスを図ること。本当の議論がきちっとできる議会運営を行いたい。議員それぞれが、各地で培った英知を活かした議会でありたい」と話し、加用副議長は「議会は、意見発表の場であってはならない。質問の論点をはっきりさせることが大切であり、再質問は関連する内容となることが必要。ポイントを絞った議会としたい」と語った。