曹洞宗大乘寺 東山主が2回目の宗教会議に出席

曹洞宗大乘寺

 

東山主が2回目の宗教会議に出席

国賓としてアゼルバイジャンへ

 

曹洞宗大乘寺(金沢市)の東隆眞山主は14、15日、アゼルバイジャン共和国で開かれた「第2回宗教会議」に国賓として出席した。今回は参加総数300人の会議となり、2年前の前回に引き続きイルハム・アリエフ大統領の招請により、日本の仏教者として招かれたのは東山主ただ一人だった。

東山主は2002年に『日本の仏教とイスラーム』(春秋社)を刊行。仏教とイスラームとの関わりは、内外に大きな反響を呼んだ。

今回の会議で東山主は「イスラームと日本の真言宗の大日如来と真言」と題し、“真言宗の大日如来と真言と、イスラームのアッラーとクルアーンとの類似点”について論じた。

真言宗の中心の仏はサンスクリットでは、“マハーヴァイローチャナ タターガタ”、大遍照如来と漢訳し、日本では大日如来と呼んでいるが、一説には古代イランの光明神アフラ・マズダーと近い関係を持っているとされていることを紹介。

東山主は「かつて日本のキリスト教では、ゴッドすなわち神を大日如来と訳していた。真言宗の大日如来とキリスト教のゴッドや、イスラームのアッラーを同一視することはできないが、共通する点もあるのではないか」とも講演で語った。

「真言」とは、古代インドでは神々をたたえ、神々に祈る時の言葉だった。それが日本の真言宗に伝えられ、もろもろの仏や神に祈りを捧げる時に唱えられるようになり、真言は絶対的な救いの力を発揮するようになったという。伝えられた真言をそのままいただき、祈りを捧げるところに本来の意味がある。真言宗にとって真言は絶対的な聖なる存在と説明した。

東山主は「イスラームと仏教は言うに及ばず、世界の各宗教は世界的な視野と国際的な感覚を持って共に理解し合い、認め合い、助け合い、共に栄えて、世界の平和を 実現すべき。お互いに否定しあっていれば、やがては自滅せざるを得ない。問題は実行力で、論じているだけではいけない」と世界の宗教者に訴えた。(写真は、アリエフ大統領と握手する東山主)