ビハーラ医療団講義集パートⅧ ビハーラと妙好人 ビハーラ医療団 編〈自照社出版〉

ビハーラ医療団講義集パートⅧ ビハーラと妙好人

ビハーラ医療団 編〈自照社出版〉

 

仏教ホスピス〝ビハーラ〞に関わる医療関係者のネットワーク組織、ビハーラ医療団に所属する8人の医師、仏教者の講義録。昨年9月、「ビハーラと妙好人」をテーマに仁愛大学で開催した第18回研修会での講演と発表をまとめた。

同団世話人代表の田代俊孝仁愛大学学長は、プロローグ「ビハーラと妙好人」で総括的に妙好人を解説し、代表的な妙好人として、水上勉の小説のモデルにもなった浅原才市をあげる。次章以降、福井の念仏詩人・木村無相、因幡の源左という二人の妙好人からの学びが語られる。講師講題は、「妙好人とビハーラ」駒澤勝(こまざわ小児科医院医師)、「妙好人才市の生涯と世界観」松田正典(広島大学名誉教授)、「ビハーラと妙好人―信者になれぬ そのままで」藤枝宏壽(福井医科大学名誉教授)、「安楽死・尊厳死について思うこと―今、いのちがあなたを生きている」相河明規(医師)、「信心と一人称の死」志慶眞文雄(小児科医/「まなざし仏教塾」主宰)、「医療と仏教の協働」田畑正久(医師/龍谷大学大学院客員教授)、「ビハーラ活動の原点を求めて―阿弥陀仏の誓願に学ぶ」藤泰澄(本願寺派専立寺住職/同派ビハーラ福岡代表)。

仏教精神に基づいて医療活動を行い、一人一人の人間が心豊かに 幸福な人生をまっとうしていけるよう貢献するというビハーラ医療団の趣旨は、今後の高齢社会で一層必要とされていくにちがいない。

定価1800円。自照社出版(☎075―251―6401)。