真言宗各山会 密教学芸賞・密教教化賞の授賞式

真言宗各山会

 

密教学芸賞・密教教化賞の授賞式

金剛峯寺で田代長者から親授

 

真言宗各派総大本山会(芙蓉良英代表総務)は13日、各山山主や常任委員ら臨席のもと「第57回密教学芸賞 第51回密教教化賞」の授賞式を総本山金剛峯寺で開催した。

真言宗長者の田代弘興長谷寺化主が賞状と記念品を贈呈し、「お大師さまの膝元高野山で、令和初の記念すべき年に長年の活動により密教学芸賞、密教教化賞を受賞した皆さまにお祝い申し上げる。各分野でそれぞれの研究や教化活動を、ますます発展させていただきたい」と祝辞を述べた。

葛西光義金剛峯寺座主は「弘法大師は恵果和尚から、真言密教の教えを広めることを最大の使命とすべしと諭された。それを示されたのが、密教学芸賞、密教教化賞を受賞した皆さま。この後も後進の指導をお願いする」と祝辞を述べた。

各山会常任委員の松村隆誉総本山西大寺執事長、布教連盟常任理事の高麗行真総本山智積院教学部長がそれぞれ祝辞した。

学芸賞受賞者を代表して榊義孝普門院住職は、「さまざまな賞があるが、この密教学芸賞は特別に権威のあるもの。受賞することができたのは、いろんな先生の論文や大正大学、密教学会等々の皆さま方と共に積み上げることができたおかげ。これからは若い方々に私が受けた教えを伝えていきたい」と謝辞を述べた。

密教教化賞受賞者を代表して中島宥榮王徳寺住職は、「大師の言葉を体し、50年ささやかに努めてきた。この後も温かく厳しいお言葉を頂戴しながら、さらなる努力を続ける」と語った。

「密教学芸賞」

榊氏(茨城県取手市・真言宗豊山派普門院)は、真言教学振興として営まれてきた「論議」の研究で抜きんでる。豊山派総合研究院の宗学研究所所長や、大正大学副学長を務めた。

山陰加春夫高野山大学名誉教授は、高野山大学図書館長、高野山霊宝館副館長を務め、御影堂文書の解読と整理を推進した。

「密教教化賞」

中島氏(長野県松本市・真言宗智山派王徳寺)。密厳流遍照講専門委員として詠歌和讃の制定や新曲制作等に携わり、指導師範の最高位・流匠に就任している。

川俣海淳氏(奈良県高市市・真言宗豊山派岡寺)。豊山派集議、総本山長谷寺では寺務長、法務執事、財務執事を務めた。

吉原泰祐氏(福岡県福津市・高野山真言宗海心寺)。金剛流御詠歌最高位の詠監として国内外で巡回布教を行い、御詠歌を通じて檀信徒教化に尽力した。

村主康瑞氏(兵庫県宝塚市・真言宗中山寺派總持院)。大本山中山寺長老・真言宗中山寺派管長を務めた。学校法人綜藝種智院理事長、種智院大学学長。