大阪9条ネットワーク 政治利用に「沖縄の視点」

大阪9条ネットワーク

 

政治利用に「沖縄の視点」

宗教者が率先し一石を

 

大阪宗教者9条ネットワークは8日、大嘗祭を前に、廣川禎秀大阪市立大学名誉教授の講演「象徴天皇制の現在を考える」を公開学習会として大阪市中央区の金光教大阪センターで開いた。

廣川名誉教授は、新天皇陛下の就任に伴う一連の行事を「国民の歴史意識と主権者意識を麻痺させる狙いがある」と指摘。「政権の政治利用には、沖縄の視点を大事にすることが有効」と、沖縄戦の集団自決などの例を挙げ、「国民の主権者としての成長が天皇を人間に近付ける根本的な道。沖縄の人たちは、このことを踏まえて子どもを育んでいる」と説いた。

講義後、浄土真宗本願寺派の神戸修西教寺住職は、各宗派が爵位を与えられていた歴史などに触れながら、「宗家」の表記を指摘。宗派の〝先祖がえり〟に警鐘を鳴らした。

同会の事務局を務める小倉雅昭本願寺派宣光寺住職は「天皇にまつわる儀式は、宗教が利用される典型例。信仰と戦争責任への思いから『同じ過ちを繰り返してはならない』という気持ちが強い。宗教者が率先して一石を投じていきたい」と語っていた。