東本願寺前の市民緑地計画 バス臨時駐車は可能

 真宗大谷派と京都市は21日、同市下京区の東本願寺門前の市道と、宗派所有の緑地を「市民緑地」として整備すると発表した。参拝者や観光客の交流の場として活用することで、門前の活性化を目指す。
 
 整備するのは、門前に広がる緑地約4000㎡と、隣接する市道約3000㎡。市道は廃止し、緑地と一体の空間として活用する。市民のイベントや祭りにも利用して地域の活性化を図るほか、災害時の避難場所としての役割も期待される。
 
 着工開始時期は未定で、完成までは3年程度を見込む。工事と管理は京都市が担う。

 計画は、烏丸通の西側を南北に通る門前の市道約260mと、隣接する緑地が対象となる。緑地は現在、年に一度のイベント会場に利用されているが、市道と一体的に整備することでさらなる活用を図る。

 廃止する市道は石畳風に舗装し、緑地との段差をなくして歩きやすくする。新たにベンチやトイレ、照明を設置するほか、四季を感じさせる樹木を植え、シンボルの噴水を中心とした開放的な広場へと再整備する。
 
 地域の古木・名木として「区民の誇りの木」に選定されたイチョウの木は残す。遊具などは置かず、参拝者や観光客、地域住民の憩いや交流の場となることを目指す。
 
 大型法要時の団体参拝バスや、修学旅行生のバスなどは、従来通り臨時に駐車できるようにする。
 
 以前より緑地の活用方法を模索していた同派に、京都駅前の活性化を目指す京都市が計画を申し入れ合意した。

 21日に東本願寺で行われた記者会見で、門川大作市長は「観光客や修学旅行生がまずお東さんの建物に触れ、歴史や文化を学ぶ出発点になれば」と話した。

 但馬弘宗務総長は「地域の賑わいに資する寺院でありたいと考え、合意した。参拝者の憩いの場としてはもちろん、地域住民にも広く利用してもらい、京都市の活性化にも貢献できれば」と述べた。