暢顯門首「深く感謝」 在任中最後の報恩講 真宗大谷派

 真宗大谷派の大谷暢顯門首は28日、東本願寺で行われた門首としての最後の報恩講で挨拶し、「これまでの23年間、全国の御同朋・御同行の方々とともに真宗の教法を聞き続けられたことは、何よりの喜びです。今日までのお支えに心から深く感謝申し上げます」と謝意を示した。
 
 暢顯門首は来年6月30日付で退任し、大谷暢裕鍵役が後任の門首に就任する。このため門首としての報恩講出仕は最後となった。
 
 暢顯門首は、門首に就任した1996年7月当時を振り返り、「お断りするのも後で苦しむ、お受けしても後で苦しむ。それならお引き受けし、宗門の皆さんの期待に添わねばならないと思いました」と、決意に至った心境を語った。
 
 また、「門首として報恩講を勤めるのは本年で最後となりますが、あらためて宗門の歴史と先達の願いに思いを致し、来年の6月までは、門首として精いっぱい尽くしてまいります」と述べた。
 
 報恩講の御満座を迎えたこの日は、全国各地から門徒ら約6000人が参拝。御影堂では出仕僧侶約70人による坂東曲が披露された。体を前後左右に動かしながら念仏と和讃を繰り返す力強い勤行に、参拝者らは見入っていた。