高野山真言宗総持寺 古式ゆかしい装束で包丁式を挙行

高野山真言宗総持寺

 

古式ゆかしい装束で包丁式を挙行

「包丁道の祖」藤原山蔭偲び

 

西国三十三所第22番札所で、藤原山蔭を開基とする大阪府茨木市の高野山真言宗総持寺は18日、全国の調理師が集まり、包丁さばきの妙技を奉納する伝統の「山蔭流包丁式」を挙行した。

古式の装束に身を包んだ調理師が、手を一切触れることなく包丁と真魚箸で見事に鯛をさばく。(写真)平安時代、光孝天皇の命で山蔭公が宮中の料理作法を大成し、包丁道の祖として崇められている。この儀式を無事務めあげた調理師には、包丁道山蔭流宗家である総持寺から免許が授与される。

式後の法話で中西隆英住職は「不必要なものはない、また永遠のものもない」というお釈迦さまの教えを紹介し、「人間が要らないと思う雑草も、たくましく生きている。要らないものにも必要な部分がある」と、生き物全ての尊さについて述べた。

今年で5回目となる包丁士を務めた清水誠氏は、「何度もやっているが、やはり本元で行うのは空気がピンと張りつめて緊張した」と笑顔で語った。

また同寺では西国三十三所草創1300年記念事業の一環で、5月1~6月30日の土日祝日および6月18日、秘仏本尊「千手観世音菩薩像」の特別拝観を開催。「西国霊場お砂踏み」も開筵する。