浄土真宗本願寺派総合研究所 寺院・僧侶の有効な発信とは

浄土真宗本願寺派総合研究所

 

寺院・僧侶の有効な発信とは

「六条円卓会議」で議論

 

浄土真宗本願寺派に所属する50歳以下の会員が、宗門の具体的な課題について話し合う「六条円卓会議」が3月29日、総合研究所で会合を開いた。今回のテーマは「寺院・僧侶からの発信を考える」。ご法義の伝え方からインターネットの活用まで、示唆に富んだ内容となった。

藤丸智雄総合研究所副所長を進行役として、安芸教区の武田一真龍仙寺住職と山陰教区の冨金原真慈蓮敬寺住職が講演後、2班に分かれて討議した。

武田住職は、ソムリエの田崎真也氏が世界コンクールで優勝した時の「死んだカブトムシの匂い」という表現を紹介。「世界中のソムリエが息をのんだ。そのものに出遇った人にはうなずけるが、出遇っていない人には決してうなずけない。説明ではなく、そのような言葉がある。真宗のみ教えも、信がある者、聞ける者にしかうなずけない。〝安全圏〟から言葉 を投げず、言葉の限界ラインを越えて埋めきらない。その両方があって、初めて『伝わる』という出来事が成り立つのではないか」と問い掛けた。

冨金原住職は、自坊のカフェの常連客が初めて法座を聴聞した後、「あのお坊さんは、私たちの方を向いて話してないですよね。住職さんの方を向いていませんか」と言われたことを話した。「『住職からいかに突っ込まれないか、いかに間違えないかということばかりを気にして話していた』と厳しい言葉を受けた。私も布教使なので図星の部分があると感じた」と問題提起し、「大事なことは『伝えたいことは何か』『自分は何ができるのか』『どのような目的で何がしたいのか』の三つ」と語った。

(詳細は2019年4月27日・5月1日合併号の紙面をご覧ください)