浄土宗 無住寺院対策の具体展開

浄土宗

 

無住寺院対策の具体展開

今秋にも委員会提言

 

浄土宗は、寺院問題検討委員会(加藤昌康委員長)で検討する無住寺院対策について、具体的な施策を盛り込んだ提言を今秋にもまとめる考えだ。来年3月の議会で、関連議案を提案することも視野に入れている。

住職が住んでいない浄土宗寺院は、全国に95ヵ寺存在している。宗では、それぞれの寺院の状況を調査した上で、1ヵ寺ずつ対策をまとめて対応する。現在、長野・三河・尾張・岐阜の4教区に所在する無住寺院12ヵ寺を対象に検討を進めており、今秋にまとめる提言に個別の対策方法を盛り込む。

寺問検では、取りまとめに向けて委員らが現地入りし、地元関係者らから聴取するなど詳細な状況把握に努めてきた。来月には提言の素案づくりに着手し、秋の議会後に最終取りまとめを行う。

施策の方向性としては、教区内寺院との合併または解散を見込んでいる。解散する場合は、財産処分や官報での告示などの手続きに充てる資金が必要となる。

現在は無住寺院の解散に対する資金支援制度がないが、寺院興隆資金の活用が最も妥当な方法と考えられている。今秋にまとめる提言の中に組み込まれる可能性が高く、宗では関連規程の改訂案を来年3月議会に提案することも考えている。

無住寺院対策は2015年に委員会を開設し、17年から施策の具体的検討に入った。おおむね3年が過ぎたが、対象寺院の全てを網羅するには長期間を要する。

一方で今回12ヵ寺へ対応したノウハウを他の83ヵ寺の対策に活かすことで、取り組みが加速することも期待されている。今年度は提言をまとめ、残る寺院の現地調査も手掛けたいとしている。