高野山真言宗 清淨心院 鳳凰奏殿、永山帰堂の落慶法要営む

高野山真言宗 清淨心院

 

鳳凰奏殿、永山帰堂の落慶法要営む

不動明王像、廿日大師像を開眼

 

高野山奥之院一之橋に隣接する別格本山清淨心院(池口恵観住職)に、木の香も新しい護摩堂「鳳凰奏殿」と位牌堂「永山帰堂」が完成し、15日に落慶法要を盛儀に執り行った。

池口住職は鹿児島の烏帽子山最福寺や、別院江ノ島大師で大護摩供を奉修している。その護摩供は格段にスケールが大きい。祖廟のある高野山から安民豊楽、世界平和の祈りを届けたいとの池口住職の願いが、現代の巧みの技と信徒らの熱意で実現した。

護摩堂「鳳凰奏殿」は、六間四面二層流れ向拝付宝形造。総高42尺。内部は上層まで吹き抜けの護摩専門道場。本尊不動明王坐像は松本明慶大仏師の謹作。

位牌堂「永山帰堂」は、弘法大師の御遺告「永く山へ帰る」から命名。本尊廿日大師像は江里康慧大仏師が謹刻した。

伽藍の設計施工は、大都流堂宮大工の技を継承する西嶋工務店が担った。いずれもヒノキ、ケヤキを中心に国産材を使用。納骨堂「淨心閣」は高野槙で建立した。

奥之院を臨む新伽藍へは、バス通りから新たに橋を建立し、橋から伽藍への門も新築した。この日、僧侶らが開門と共に渡り初めを行った。

当日は多くの信徒が参拝し、山内報恩院住職である山口耕榮前官が導師を、飛鷹全隆寺務検校執行法印ら山内住職が職衆を勤め、盛儀に開眼・落慶法要を営んだ。

大護摩供を修した池口住職はこのたびの浄行完遂に際し、「これを機に、衆生救済、国家安泰・世界平和の祈りを深めると同時に、私のこれまでのさまざまな方面での蓄積を生かしながら、密教本来のダイナミズムを内外にアピールする活動に身口意をフル回転させ、高野山の次なる千年を展望できるようにしたいと、気持ちを新たにしている」と決意を述べた。