曹洞宗薬王寺 札幌宮の森に新本堂が落慶

曹洞宗薬王寺

 

札幌宮の森に新本堂が落慶

交流のある韓国寺院も随喜し

 

曹洞宗薬王寺(札幌市)は9日、開創50周年ならびに新本堂落慶法要を営んだ。

薬王寺は、先代・田中孝印師が終戦後まもなく、富山県蓮浄寺から北海道に渡り、宗派を超えた礼拝慰霊所として円山西町に錫を置き、伝道開法。

1969年に法輪閣慰霊堂を建立し、71年には中央寺7世で後に大本山永平寺貫首となる秦慧玉禅師の導師により本堂落慶を営んだ。84年には現在の中央区宮の森に本堂、納骨堂を移転建立し、薬王寺として新たに寺号公称を果たした。

孝印師は北海道開拓殉難者の慰霊にも努め、境内に北海道無名開拓殉難者慰霊碑を建立するなど平和活動に心血を注ぎ、現在の田中清元住職は師の思いを受け継ぎ、各地での戦没者の慰霊や、韓国をはじめとする海外寺院とも交流。韓国の諸寺院で慰霊供養を行う訪韓は30年以上に及ぶ。

法要は乙川暎元大本山總持寺監院が導師を勤め、160人の寺院住職と、韓国から訪れた32人が新本堂の完成を祝った。

薬王寺では日々の坐禅会をはじめ、御詠歌、空手教室、夏休み子ども坐禅会、花祭り、そして震災復興支援チャリティーコンサートなどを行っている。新たな本堂は、檀信徒の教化活動はもとより、今後も広く市民に開放できるよう設計した。ブルーグリーンのドーム型をした印象的な新本堂には、屋内霊園や納骨堂も完備している。

田中住職は「法要だけではなく、皆さんに開放しようとバリアフリーにして空間も有効利用できるようにした。ヨガ教室、空手教室など、いろんな目的があっていい。音響面にも配慮し、コンサートもできる設計にした。市民に開かれた寺院として、災害時の避難所の認定もいただき、すでに胆振東部地震の時には宿泊してくれた知人もいる」と話している。