月別アーカイブ: 2019年5月

真宗大谷派 慶讃法要の総事業費は35億円に

真宗大谷派

 

慶讃法要の総事業費は35億円に

テーマは宗務総長演説で発表

 

真宗大谷派は宗会(常会)を30日から開催し、同日に宗議会(僧侶議員)を、6月7日から参議会(門徒議員)を招集。2019年度予算のほか、23年に厳修する「宗祖親鸞聖人御誕生850年・ 立教開宗800年慶讃法要」の総計画案を12日の閉会まで審議する。

すでに議員には予決算書が送付され、慶讃事業 特別会計の総予算が35億円となることが分かった。事業予算の支出内訳は、①法要費(4億4515万円)②境内参拝設備費(4億5000万円) ③教学教化費(4億5990万円)④記念事業費(1億円)⑤宗門基盤整備費(8億5000万円)⑥伝道広報費(1億7500万円)⑦調進費(2億5760万円)⑧教区交付費(1億1600万円)⑨事務所費(5億1970万円)⑩予備費(1億2665万円)。

一方、収入の部は、①特別賦課金(5億676万円)②冥加金(200万円)③懇志金(29億9023万円)④雑収入(101万円)となっている。

また、慶讃法要のテーマは議会冒頭の宗務総長演説の中で発表されることも明らかとなった。

50年前のテーマ「生まれた意義と生きる喜びを見つけよう」は今も宗門人の心に響いている。今回の慶讃法要のテーマについては、昨年9月から教学会議の中で課題別委員会を設けて議論しており、どのようなものになるのかにも注目が集まっている。

浄土宗平和協会 浄土宗平和賞に「カワセミクラブ」

浄土宗平和協会

 

浄土宗平和賞に「カワセミクラブ」

フィリピンの貧困支援を評価

 

浄土宗平和協会(廣瀬卓爾理事長)は14日、第11回浄土宗平和賞をフィリピンなど途上国の貧困層支援に取り組む「カワセミクラブ」に贈った。

平和賞は、浄土宗寺院・教師、または浄土宗教師が代表を務める団体が行う平和・環境保護・国際交流・地域福祉などへの貢献活動を顕彰し、支援することを目的としている。

2014年に設立された「カワセミクラブ」は、食糧や学習物資を途上国の貧困者へ提供し、自立を支援してきた。また格差や貧困の実態に触れてもらうため、高校生をフィリピンに派遣する交流育成事業にも取り組んでいる。今回の賞金は、育成事業に活用される。

授賞式では、伊藤唯眞浄土門主の代理として福原隆善大本山百萬遍知恩寺法主が、小泉顕雄会長(京都教区教傳寺住職)に賞状を手渡した。小泉会長は活動報告で、草創期に支援していた一家が自立し、自らも支援活動に取り組む意志を示すようになったことに感動したと話し、「自身もこの年で、打ち込めるものを見つけた」と述べた。交流事業は地元の園部高校生を現地に連れて行き、交流を持つ。これらの活動は、これまでも多方面から高い評価を受けている。

総本山長谷寺 根岸榮宏氏が寺務長に

総本山長谷寺

 

根岸榮宏氏が寺務長に

五十嵐寺務長の辞任に伴い

 

真言宗豊山派総本山長谷寺の五十嵐賢仁寺務長が一身上の理由で退任。17日の本山評議員会を経て、18日付で後任に根岸榮宏氏が就任した。任期は残任期間。

根岸新寺務長は着任後、本尊宝前で朝勤行を勤め、その厳かさに体が震えたという。就任に際し、「モットーは『和を以て尊しとす』。これから宗派一丸となって本山整備の一大事業が始まる。役職員一同、気持ちを一つに邁進したい」と話している。

根岸寺務長=1945年生まれ。東京都荒川区・養福寺住職。大正大学卒。宗派勤務を経て、2000年から教化部長を2期務めた。法会儀則専門委員会委員、本山特派布教師、大師講総本部長・理事、制度調査会委員、総本山長谷寺評議員、総本山長谷寺文化財等保存調査委員会など歴任。集議。大僧正。

真宗木辺派 第23代顯慈門主が法燈受け継ぐ

真宗木辺派

 

第23代顯慈門主が法燈受け継ぐ

令和の時代  一体の宗門に

 

真宗木辺派は19日、本山錦織寺御影堂で門主継職式を行い、第23代木邊顯慈門主が、歴代の事績などの冊子を収めた〝継職の箱〟を第22代木邊圓慈門主から受け取り、法燈を受け継いだ。

門主継職式には約200人が参拝。圓慈前門主が「平成から令和に移る中、錦織寺においても寺主の席を次に譲ることで、新たなる発展と御法義伝達の展開をのぞむ」と表白で心境を語った後、顯慈門主へ継職の箱を手渡し、美香新裏方が参加する「みのりの会」が仏教讃歌を歌った。

継職後は、顯慈新門主が願生偈を勤め、「当山の住職の任は山を背負うが如くの重責ですが、背負うではなく一体となるよう協力し尽力致します」と〝お言葉〟を述べ、「御消息」として受け取った藤本秀曉宗務長代行が、参拝者に披露した。

顯慈新門主は1980年生まれ。龍谷大学卒。96年に得度し、2010年に新門として親鸞聖人750回御遠忌法要に出仕した。24年11月には、宗門内外に広く門主就任を知らせる伝燈奉告法要を営む予定。

継職式は同派が17~19日に営んだ「親鸞聖人御誕生法要」の中で行った。17日は戦争全犠牲者・奉賛会物故者追悼法要、18日は大興孝慈上人50回忌等法要、19日は親鸞聖人御誕生法要と大興孝慈上人50回忌等法要を勤めた。

木辺派第20代孝慈上人は、浄土真宗本願寺派の第21代大谷光尊門主の子息で、第22代大谷光瑞門主の弟、九條武子夫人の兄にあたる。18日の法要には本願寺派の大谷光真前門主らが参拝した。

大本山大覚寺 尾池泰道門跡の入山式を挙行

大本山大覚寺

 

尾池泰道門跡の入山式を挙行

信仰の宣揚と教化活動に努め

 

大本山大覚寺は22日、尾池泰道門跡の入山式を執り行った。

本山、宗団、華道、大学の役職員が出迎える中、尾池門跡が入山。(写真)本尊宝前で法要を営んだ。晋山式は9月9日に執り行う。

式典で伊勢俊雄宗務総長は「今生陛下のご即位の年に、時を同じくして尾池門跡をお迎えすることは、皇室とのつながりと仏縁を感じざるを得ない。この有り難い勝縁に感謝し、心から猊下をお支えする覚悟」と語った。嘉原唱光宗会議長は「時代の変化とともに宗団を取り巻く環境も変化し、苦しい時代が続いているが、宗会議員一同、最善を尽くして内局と共に取り組んでいく。尾池門跡には、布教教化活動によりいっそうのご指導ご鞭撻をお願いする」と歓迎の辞を述べた。

全国嵯峨御流華道師範門人を代表して辻井ミカ華務長は「大覚寺と共に歩み続ける嵯峨御流も、尾池門跡のご指導を受け、新時代に進んで参りたい」、嵯峨美術大学・同短期大学部の佐々木正子学長は「名誉学長に就任いただく尾池門跡には、これからの時代を担う若い学生たちへの温かいご指導を」とそれぞれ祝意を表した。

尾池門跡は「歴代門跡さま、そして黒沢全紹前門跡の意志を継ぎ、大覚寺の法流と伝統の護持に努め、心経信仰の宣揚と 檀信徒ならびに参拝の方々への教化活動、いけばな嵯峨御流ならびに嵯峨美術大学の興隆発展に精進したい」と決意を披歴した。

 

黒沢前門跡に感謝の花束

 

2期目の任期満了を待たず辞任した黒沢前門跡の退山式が21日に行われた。全山職員をはじめ関係者が長年の教導に感謝して花束を贈呈し、末永い健勝を祈りながら見送った。

浄土宗 新命住職の教育制度発足へ

浄土宗

 

新命住職の教育制度発足へ

7月にも計画案を決定

 

浄土宗は15日、開宗850年準備委員会(小栗賢亮委員長)を京都宗務庁で開き、新命住職の教育制度を発足する方向で議論を進めた。

新命住職を対象とした教育制度の構築は、教師の資質向上や意識改革を促すために今年2月に事務局から提案された。総本山知恩院と大本山増上寺で新命住職の認証奉告式を行い、同日に住職と付き添いの檀信徒を対象とする研修を行う計画案だったが、檀信徒の負担が大きいなどの理由から再検討していた。

今回の委員会では、全ての新命住職が奉告式に参加することを義務化すれば遠方の教師の負担が大きく、また、「任命」ではなく「認証」であり、義務化にそぐわないとの意見が大勢だった。対案として、認証奉告式と研修を分離し、宗や教区が実施する教師研修の受講を義務化する方法や、住職就任後3ヵ年以内に研修を受講する仕組み、研修内容を冊子にまとめて新命住職に郵送する対応が提案された。

新命住職を対象とした研修制度は、開宗850年を慶讃する事業に適さないとの声も出たが、住職としての意識を持つ上で、研修の実施は不可欠との意見が主流を占めた。

今後、改めて事務局が複数の案をまとめ、7月に開く最終の委員会で決定する。

高野山真言宗 教誨師会が理事会開催

高野山真言宗

 

教誨師会が理事会開催

新体制のもと事業計画など審議

 

高野山真言宗教誨師会(阿部眞猛会長)は14日、大阪の太融寺で理事会を開き、新年度事業計画や予算などを審議した。(写真)

開会にあたり阿部会長は、昨年に行われた全真言の北海道大会や、高野山真言宗教誨師会の九州研修会などについて報告。

2018年度と19年度の事業計画や予算を審議した。

昨年は阿部会長(担当・旭川刑務所)が5月に藍綬褒章を受け、顧問でもある麻生弘道太融寺長老(担当・大阪拘置所)も9月に日本宗教連盟理事長表彰を受けたことが紹介された。

米田弘明金剛寺名誉住職は会長を任満し、顧問に就任。全真言宗連盟の会長でもあった昨年、北海道大会が実現し盛会であったことに謝意を表し、「北海道大会の実現は、皆さまの力と資延敏雄元座主猊下のお導きと感謝している。九州大会も素晴らしく、大師の遺徳を改めて認識した」と挨拶した。

阿部会長以下、役員は次の各氏。▽副会長=稲生隆信、永島龍弘▽事務局長=松隈康伸▽理事=茶円宥正、五味寛融、朝日舜雄、髙見寛信、細川寛雄、石田啓真、赤星善生▽監事=丸山泰觀、向井信章▽会計=北原隆義。

会員の逝去および退会に伴う新規入会は、兵庫宗務支所下―高橋祥之氏(正藏院)、香川宗務支所下―麻生要道氏(安養寺)、備前宗務支所下―黒井覚然氏(遍明院)、滝山光俊氏(大瀧山西法院)の各氏。

なお全真言宗教誨師連盟が6月17、18日に長谷寺大会を行うのに併せ、18日に和歌山市で研修会を行い、和歌山刑務所の視察や、理事会と総会、懇親会を開く。翌日は総本山根來寺に参拝する。

曹洞宗光秀寺 同教区で新命住職、首座、辨事がそろい

曹洞宗光秀寺

 

同教区で新命住職、首座、辨事がそろい

晋山結制で迫力ある首座法戦式

 

さいたま市岩槻区の曹洞宗光秀寺で5、6日に晋山結制が営まれた。少子化による後継者の減少がいわれる中、新命住職と首座、そして辨事が同教区(教区内寺院14ヵ寺)でそろう珍しい法要となった。

曹洞宗では晋山式の際に結制をおいて首座法戦式を行うケースが多く、結制を終えると住職には大和尚の位が、首座には住職資格が与えられる。また辨事は法戦式で第一声を発する重要な役目でもある。

新命は曹洞宗宗務庁課長職にあり、現在は曹洞宗総合研究センター事務局長を務めている関根隆紀住職(53歳)。首座は在家出身で一般企業に勤めていた萩原達八氏(35歳、岩槻区芳林寺徒弟)、そして辨事は小泉圭悟君(小学校6年生、同区円福寺沙弥)が勤めた。

関根住職は曹洞宗の広報部門の立ち上げに携わり、地元では自坊を中心に坐禅会開催に力を入れ、地域住民への曹洞禅の敷衍に努めている。

関根住職は萩原さんに「ぜひ一緒に、坐禅を一生懸命していきましょう」と呼び掛け、空手道場に通う圭悟君には「勉強に、空手に、これからもがんばってください」と出仕に感謝し、檀信徒に向けてはさらなる寺門の興隆への決意を語った。

真宗大谷派長浜教区 71日間の御遠忌が円成

真宗大谷派長浜教区

 

71日間の御遠忌が円成

僧侶、門徒、寺族一丸で

 

真宗大谷派長浜教区は、71日間の御遠忌を19日の長浜別院御遠忌法要で円成した。

3月10日の復興支援「いのちとことばの響舞台」で幕を開けた御遠忌。期間中には五村・長浜両別院(滋賀県長浜市)を会場に讃仰記念講演会を開き、5月3日には約400人が参加した「子ども御遠忌」を行い、次世代への念仏継承を願った。

さらに長浜市や商店街の協力のもと、地元博物館と連携して「親鸞と真宗文化―長浜三会場展示」を行い、信仰心篤い湖北の真宗教化の一翼を担った大通寺の歴史を顕彰。黒壁ガラス館の作家によるオリジナルガラス作品の展示や、切り絵作家・早川鉄兵氏の仏教世界を表現したアート作品が本堂襖絵として飾られ、人々を魅了した。

長浜別院の御遠忌法要には大谷暢裕門首後継者(能慈院殿)が出向し、結願日中を厳修。わずか2日間で定員に達した帰敬式は400人が受式し、200人の子どもが参加した稚児行列が町を練り歩き、市民や観光客らも長浜の御遠忌を楽しむ姿があった。

教区御遠忌実行委員会の伊吹惠鐘委員長は「準備段階も含めて長期間の御遠忌となり、ご門徒と坊守の協力なしには成し得なかったと感謝している。土徳といわれる長浜の信仰心は私たちの先祖や先達が命懸けで護り伝えてくださったもの。今回の御遠忌で、いのちのつながりの歴史を再認識し、次世代に本願念仏の教えを伝え、生きる意義と力を今後も見出していきたい」と語っている。

賀茂御祖神社 令和最初の斎王代は負野さん

賀茂御祖神社

 

日本最古の祭り葵祭を斎行

令和最初の斎王代は負野さん

 

賀茂御祖神社は15日、京都三大祭りの一つ「葵祭(賀茂祭)」を斎行し、第64代斎王代を負野李花さん(京都市左京区)が務めた。負野さんは、香製造販売「負野薫玉堂」(下京区)代表の野和夫さんの子女。十二単をまとった斎王代をはじめ、平安王朝を再現した優雅な行列を一目見ようと、多くの人が沿道に詰め掛けた。

京都市北区から来た女性は「とてもきれいな斎王代だった。葵祭は昔に一度見に来たきりだったが、立派な衣装で刺しゅうも素晴らしく、いつの時代も憧れ」と笑顔で話した。