真言宗智山派
子どもの貧困をテーマに研修
寺院ならではの貢献を模索
真言宗智山派は3、4日、第21回智山総合研修会を宗務庁で開催し、九つの分科会に分かれてさまざまな問題について考えた。
4日の第5分科会は智山青年連合会が担当し、「寺院だからできる社会貢献活動とは~子どもの貧困から考える」をテーマに、100人以上が参加して行われた。
冒頭、山口純雄会長は「地域社会との関わりの中で、僧侶はいろいろな役割を求められる。その一つとして、今回は貧困にスポットを当てた。ここで学んだ話を自坊に持ち帰って活かしてほしい」と語った。(写真)
講師の廣澤満之白梅学園大学准教授(東京・智山派淨福寺副住職)は、子どもの貧困や福祉を取り巻く状況と問題点をさまざまな観点から説明。貧困は所得の面から語られることが多いが、実際は複数の要因が絡み合っているとし、児童の学習支援の重要性を訴えた。
また、人・情報が集まりやすく、社会の信頼性が高いという寺院の特性を挙げ、地域コミュニティーの場になることが大事と述べた。
おてらおやつクラブ事務局の福井良應御室派興山寺副住職は、活動体験談やノウハウ、実践を通して感じたことなどを話し、「物資面の援助だけでなく、誰かが自分たちを見てくれているという安心感を与えることが大切」と語った。
両講師とも貧困者対策に人間関係の構築を挙げ、寺院の特性を活かした、つながりづくりの有効性を説いた。