月別アーカイブ: 2019年7月

真言宗醍醐派 宗会が本山支援を決意

真言宗醍醐派

 

宗会が本山支援を決意

台風被災復興を末寺から

 

真言宗醍醐派は25日、臨時宗会(岩鶴密雄議長)を開き、2018年度の決算を承認した。また、昨年の台風により多大な被害を受けた総本山醍醐寺の復興のために、議員が率先して末寺へ協力を呼び掛けていく決意を表明した。

宗務本庁決算は7483万円余で、予算を376万円下回ったが、当期余剰金を723万円ほど残した。伝法学院が途中で終了したことによる交付金の減額が主な要因。同派では、特に修験道教師による宗費賦課金の未納や、滞納後に支払うケースも多く、恒常的に予算額に達しない状態となっている。議員からは「整理をした上で、予算を立て直すべき時期」との指摘もあったが、決算自体は監査も終了していることから、決算委員会で慎重に精査して原案のまま承認した。

また、宗務報告では昨年の台風21号による倒木ならびに土塀損壊に対し、文化財の護持という意味を広く、特に若い人に知ってもらうために2019年中に3期に分けてクラウドファンディングを実施(既報)していることを報告。従来から行っている参拝者への勧募や、有縁者へのチラシ等の配布を通してクラウドファンディングを周知し、協力を呼び掛けていく。

協議の結果、今回の被害の甚大さと、本山の努力に対する理解から、閉会式において大原弘敬副議長が、採択された「末寺への周知に努力する」旨の決意声明を、仲田順和管長の前で読み上げた。

仲田管長は「平成の時代を通して『活かされてこそ文化財』を訴えてきたが、クラウドファンディングによって、これまで一部の想いであったものが、市民への想いとなり、その願いが広まっていってほしい」と議会の決意を歓迎した。

豊山派仏教青年会 お寺を地域の活動拠点に

豊山派仏教青年会

 

お寺を地域の活動拠点に

日頃の活動で災害時にも繋がる絆を

 

真言宗豊山派仏教青年会(林映寿会長)は6月30日、「縁日プロジェクトin須磨寺」を開催した。

林映寿会長が得意とするスラックラインパフォーマンスを行い、プロのライダーのパフォーマンスやキャンピングカーの試乗、世界で一番おいしい非常食の試食会など盛りだくさんの企画に、参加者からさまざまな感想が寄せられている。

同青年会は、地域における寺院活動とその延長で防災対応力を高めたいという思いから協力者を募り活動を行っている。林会長は「はじめから有事が目的ではなく、普段からお寺と親しい関係を持つことに意義がある。各地の災害を見てきたが、行政は自在に動くことが難しく、やはり近隣の人同士の日頃からのふれあいが大事になる。お寺は、そうした意味で、いろんな拠点になるのではないか」と話す。

有事の際、全国のお寺ネットワークと若手僧侶の行動力を結集し、さらには災害が発生した近隣寺院をベースキャンプとして復興支援やサポートをしていこうというのが趣旨。昨年8月には非常食を製造している石井食品(株)、キャンピングカーレンタル事業を全国展開する(株)レヴォレーター、今年3月にはヘリチャーター会社の(株)AirXと災害協定を結んでいる。「船が加われば、陸海空と揃って格段の行動力になる」と林会長。

須磨寺の小池陽人寺務長も「いつどこで起きるかわからない大災害。そんな時、お寺が拠点になるのだということを地域の人たちに知ってもらうきっかけになれば」と語っている。

林会長就任後、昨年度は4回実施。今年度は須磨寺に続いて8月に三重県で開催する。

粟生光明寺の暁天講座 ばんば氏らの歌で親近感

粟生光明寺の暁天講座

 

ばんば氏らの歌で親近感

 

粟生の総本山光明寺は28~30日、令和元年度「暁天講座」を大殿で営む。荘厳な空間で歌や話を楽しむことで光明寺をより身近に感じてもらい、法然上人のみ教えに近付いてもらう。

初日は、光明寺と深い縁を持つ、ばんばひろふみ氏が「朝から歌おうフォーク・ソング」。

29日はシンガーシングライターでもある浄土真宗本願寺派のやなせなな教恩寺住職が、「悲しみの先に開かれる世界」と題して、病床の中で死の淵に立った思いを語る。30日は、齋藤清隆長増寺住職(西山浄土宗庶務部長)が「気づかせていただくよろこび」と題して語る。講座後には朝食接待も。

西国三十三所観音霊場 1300年続く究極の終活の旅

西国三十三所観音霊場

 

西国三十三所が日本遺産に認定

1300年続く究極の終活の旅

 

西国三十三所観音霊場が5月20日、「1300年つづく日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼」として日本遺産に認定された。

奈良県の総本山長谷寺開山の徳道上人を開基とし、和歌山県、大阪府、奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県、岐阜県にまたがる観音霊場で、日本で最古の巡礼行とされる。札所には、すでに世界遺産に登録された寺も含まれている。

年齢にかかわらず、人生を通していかに自らの生と向き合うかを考えるという、日本人にとって究極の終活が達成できる旅という位置付けで認定を受けた。

認定証交付式に出席した鷲尾遍隆会長は決定後初の総会で喜ばしいこととし、これを機に観音信仰の路がたくさんの方に広がっていくことを祈念すると述べている。

同会は草創1300年の記念事業を機に「西国巡礼地域連携協議会」として連携し、自治体と観光協会が結束して地域と密接につながった札所の地盤を活かして活動し、地域全体の活性化に寄与してきた。今後は、「日本遺産『日本終活の旅』推進協議会」に名称を変更。各寺院の門前町や旅館組合などで「○○寺活性化委員会」といったものを組織して活動することになるという。

現在、草創1300年記念事業を実施しており、まずはその成満に向け傾注する。(写真は徳道上人を祀る長谷寺開山堂)

禅林寺の緑蔭法話 今年は生死事大

禅林寺の緑蔭法話

今年は生死事大

 

総本山禅林寺は8月1~3日、「緑蔭法話」を放生池のほとりで営む。今年も久我儼昭法主が3日間にわたって教えを伝える。

今年のテーマは「『生死事大』~今を生きる」。

1日目は「無常迅速〝あっという間〟の人生」、2日目は「死を明らむる」、最終日は「〝今を生きる〟ということ」。昨年晋山した久我法主が、今年も聴衆と共に仏法の深淵に触れる。

大本山清水寺 第104回うらぼん法話

大本山清水寺

 

第104回うらぼん法話

 

大本山清水寺は、第104回うらぼん法話を8月1〜5日に行う。

1日「この躰、この心も頂きもの―諸法無我」藤大慶浄土真宗本願寺派西福寺前住職・社会福祉法人るんびに苑理事長。

2日「平和と宗教」杉谷義純天台宗妙法院門跡門主。

3日「世の中は空しきものと知るときし―古代和歌の世界」佐野宏京都大学大学院准教授。

4日「延命十句観音経のこころ」横田南嶺臨済宗円覚寺派管長・花園大学総長。

5日「すこしのご縁」森清範北法相宗管長・清水寺貫主。

六道珍皇寺 夏期ゑんま詣 特別寺宝展を開催

六道珍皇寺

 

夏期ゑんま詣 特別寺宝展を開催

祇園祭1150年の節目に

 

京都市東山区の建仁寺派六道珍皇寺は13〜15日、ゑんま詣・大斎日法要と「夏期ゑんま詣・特別寺宝展」を開催し、祇園の八坂神社の祭神を垂迹神の姿で表した寺宝「祇園八坂神社垂迹曼荼羅図」(江戸時代前期)などを公開した。(写真)

毎月16日は閻魔さまの斎日とされ、7月16日ごろは盂蘭盆とも重なることから、縁日の中でも最も大きな縁日「大斎日」と呼ばれる。16日は平日のため前倒しし、休日の三日間で行った。例年の大斎日法要に加え、今年初となる「茅の輪くぐり」を行い、無病息災、延命長寿を祈願した。

また、祇園祭が始まって1150年の節目ということから、「祇園八坂神社垂迹曼荼羅図」を公開。毎年、さまざまな寺宝を展示しており、「垂迹曼荼羅図」の公開は十数年ぶりという。坂井田良宏住職は、「茅の輪くぐりで無病息災、延命長寿を、垂迹曼荼羅図で疫病退散、無病息災の二重の御利益を授かってもらおうと思う。また、令和の慶年の門出の年に明るい未来が迎えられるように祈る」と語った。

浄土宗850年準備委 SDGsへの参画求める

浄土宗850年準備委

 

開宗850年契機に新展開

SDGsへの参画求める

 

浄土宗開宗850年準備委員会は22、23日、現委員任期の最終会合を京都宗務庁で開き、慶讃事業の一環としてSDGsの実現に向けて取り組むことを次期委員会へ申し送りした。

SDGsは、「誰一人取り残さない」を理念として、持続可能で多様性と包括性のある社会を実現するための国際目標で、2015年9月の国連サミットで採択された。貧困・飢餓・保健など17種の目標を提唱し、2030年を目標年度に定めている。全日本仏教会が昨秋、WFB世界仏教徒会議においてSDGsの具現化に取り組む方針を宣言し、仏教界では曹洞宗などが先駆けている。

委員会では、全日仏で 具体化の動きがあることを踏まえ、また、SDGsの掲げる理念が「一人も捨てずに救おうとする法然上人のみ教え」と親和性が高いことから、浄土宗でも取り組むべきとした。また、「SDGsを推進する経団連からも、全ての国民の理解を深めるために地域に根差した宗教の活躍が期待されている」と加えた。

宗内には、おてらおやつクラブなどSDGsの理念に沿った活動を展開する団体があり、包括的に支援する体制づくりが必要とした。また、開宗850年を契機として持続的な社会事業を展開する枠組みを創るべきとした。具体的には、ともいき財団などとの連携も考えられるが、宗議会改選後の次期委員会で検討することを決めた。

WCRP日本委員会 独での世界大会へ提言文

WCRP日本委員会

 

独での世界大会へ提言文

三つの方向を集約し

 

WCRP日本委員会は、8月20〜23日にドイツ・リンダウで行われる 第10回世界大会に向けて提言文を発表した。

世界大会には、世界の諸宗教のリーダーをはじめ、ドイツ政府や国連等の国際機関など、約900人が集う。日本委員会からは庭野日鑛会長(立正佼成会会長)や杉谷義純評議員(天台宗妙法院門跡門主)、植松誠理事長(日本聖公会首座主教)など約20人が参加。

大会では討議後に「リンダウ宣言」を打ち出すことになっている。

これに先駆けて日本委員会では、「リンダウ宣言」に盛り込むために、これまで各特別事業部門(タスクフォース)や常設機関で議論してきたことを基に15の提言骨子を立案・集約し、三つのメッセージにまとめた。

一つ目は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(宮沢賢治の『農民芸術概論綱要』より)。

紛争を予防・転換するために、それぞれの地域に根差した共生と和解を促進する知見と手法を学び、その本質的な要素を抽出し、和解活動に応用する。

二つ目は、「危険をおかしてまで武装するよりも、むしろ平和のために危険をおかすべき」(庭野日敬・WCRP国際名誉議長の第1回国連軍縮特別総会でのスピーチより)。

軍事による防衛は、相手に対する不信がもととなっている。相互不信を乗り越えるには、自らが相手を信じることによって信頼を醸成しなければならない。それこそが真の安全保障となる。総合的軍縮の視点を持ち、包括的な対話による啓発・提言を行うことが必要。

三つ目は、「もったいない」。

人間だけでなく動植物をはじめ全てのいのちを大切にする「もったいない・かたじけない」という精神は、地球環境リテラシーの啓発において重要。地球は守るものではなく、地球に生かされていると認識し、全てのいのちは一つであるという一体感を広めていく。

この提言は、日本独自の思想からなる発信として、世界大会の宣言文起草委員会に提出する。

総本山知恩院 重文・勢至堂の改修へ

総本山知恩院

 

重文・勢至堂の改修へ

採択目指し調査を開始

 

総本山知恩院は、重要文化財・勢至堂(写真)の改修に向けて調査を開始した。年末までに作業を終え、文化財修理事業としての採択を求める準備を進める。

勢至堂は、祖廟に隣接して立地する大谷浄室の旧址で、1530年に再建された。知恩院に現存する諸堂の中では最古で、1899年に国宝建造物に指定されている。入母屋造本瓦ぶき平屋建て、規模は桁行21m、梁行20m。

屋根の劣化や床の傷み、梁の外れなど老朽化が進み、早期の改修が必要な状態となっている。調査では、不良箇所の検出作業を行い、資料を作成。文化財保護事業となることを視野に、事前協議を京都府に申し込む考え。

京都府内には採択待ちの建造物が多く、数年間は順番を待つ可能性も想定されているが、財源の確保も課題となる。少なくとも事業費の4分の1は自己負担しなければならない。開宗850年に向けて各本山で勧募が活発化することが予想され、門葉への協力を求めづらい状況にもあり、財源確保の方法を検討する。

このほか知恩院では、重要文化財である雪香殿と月光殿の改修も必要となっており、引き続いて調査し、中長期的な改修計画をまとめる。