月別アーカイブ: 2019年8月

浄土真宗本願寺派 全国で消息披露 総局巡回を開始

浄土真宗本願寺派

 

全国で消息披露 総局巡回を開始

公聴会で賦課基準など意見募る

 

浄土真宗本願寺派は21日、総局巡回を備後教区と宮崎教区で開始した。2023年に営む「親鸞聖人御誕生850年」「立教開宗800年」についての消息を披露し、公聴会では来年4月の賦課基準見直しを前に教区の意見を募る。10月4日の高岡教区と福岡教区まで、全国の教区と宗務特別区32ヵ所で行う。

顕道会館で23日に開いた京都教区(出羽宏信教務所長)の総局巡回では、阿部慶一総務や丘山願海総合研究所長らが出向。教区役職者ら約40人の前で、阿部総務が消息を披露した。

公聴会は、矢野利生教区会議長が座長を務めた。事務局が、先の宗門総合振興計画推進会議で文言を見直した法要の「趣意書」と、各教区で行事を営むための付帯事項「法要及び関連諸行事を進めるにあたって」を報告し、5%の下限を設けて教区の護持口数の調整を可能にする宗門財政構想委員会の中間答申や、僧侶育成体系プロジェクト委員会が進める「寺院サポート講座(仮称)」と「坊守育成体系の方針」の案について協議した。

(詳細は2019年8月28日号の紙面をご覧ください)

駒澤大学禅文化歴史博物館 企画展「松平家忠とその時代」

駒澤大学禅文化歴史博物館

 

企画展「松平家忠とその時代」

日記からリアルな戦国時代を読み解く

 

駒澤大学禅文化歴史博物館は、企画展「松平家忠とその時代~『家忠日記』と本光寺」を9月16~11月13日まで開催する。

駒澤大学図書館所蔵の貴重書『家忠日記』は、戦国武将の自筆日記として珍しく、家忠の日常生活や合戦での様子、信長・秀吉・家康の動向が記されるなど、戦国時代のリアルタイムの情報を知ることができる一級資料となっている。また、深溝松平家の菩提寺である二つの本光寺(愛知県幸田町・長崎県島原市)に伝来する関係資料から、戦国武将の実像に迫る。

1582(天正10)年6月3、4日の日記には、本能寺の変のことが記載され、一大事に情報が混乱していた様子なども描かれ、興味深い。

種智院大学 理性院流の太元法伝授会

種智院大学

 

理性院流の太元法伝授会

平和を祈る修法を後世に

 

種智院大学事教講伝所は、醍醐理性院流に相承する太元法の伝授を全五会にわたって開筵する。

太元法は入唐八家の一人、小栗栖常暁によって請来され、天下の平安を祈願する秘法として醍醐理性院流を中心に相伝されてきた。第二次世界大戦では敵国降伏・戦勝祈願のために修され、戦争の印象が強くなったが、本来は天下国家の安泰除障を祈るもの。同講伝所では、天皇陛下即位を機に、改めて平和を祈る修法としての太元法を顧みて、後世に伝えたいとしている。

第1会は10月10日、総本山醍醐寺で「理性院流許可」。

第2会は12月5、6日、種智院大学で「太元法許可・伝授」。以下の日程は未定。

大阿闍梨は仲田順和総本山醍醐寺座主・大本山三宝院門跡。

伝授大阿闍梨は中西啓寶前高野山金剛峯寺座主、吉井恵貫前高野山真言宗総務部長、添野智譲種智院大学元教授、村上了海呑山観音寺住職。

応募締め切りは9月20日。募集人数は100人。詳細は事教講伝所(☎075-604-5600)へ。

浄土真宗本願寺派 宗門高生が「取り残さない社会」提案

浄土真宗本願寺派

 

「仏教×SDGs」の実践を

宗門高生が「取り残さない社会」提案

 

「ジェンダーフリーのトイレ設置を」「空き店舗で出張寺カフェは?」。本願寺派宗門関係学校に通う高校生たちが23日、SDGsの精神である「誰一人取り残すことのない社会」の実現に向け、学校の垣根を越えた「アクションプラン」を発表した。

約70校が集う龍谷総合学園(理事長・入澤崇龍谷大学学長)が21日から3日間、龍谷大学などで開いた「仏教×SDGs夏期交流学習」の取り組み。加盟21校の代表42人が、持ち寄ったそれぞれの計画について、総合学園の大学生10人を交えて話し合い、SDGsの17の目標を確認しながら〝協働〟できるプランなどを構築した。

北陸高校(福井)と金沢龍谷高校(石川)のグループは、教育を受けられない世界中の子どもたちの現状を学びSNS等で発信する「SDGs部」を両校に設置し、隣県同士で交流しながら活動することを提案。岐阜聖徳学園高校(岐阜)と崇徳高校(広島)は、総合学園加盟校に「避難所運営委員会」を設け、地域の寺院を避難所として活用しながら寺子屋や子ども食堂の拠点とする「寺フォーマー」を考案した。

また、千代田高等学院(東京)は、SDGsの〝国際目標〟という固いイメージを払拭するため、学生団体で身近に取り組み、活動動画をSNSで発信する計画を示し、全国の8校が賛同した。

生徒らは各校にプランを持ち帰り、年度末に活動した内容を発表する。会場で各グループの発表を聞いた日谷照應金沢龍谷高校理事長は、「ここからがスタート。それぞれの学校に持ち帰って、どう活動するかが大切」と感想を話していた。

「仏教×SDGs夏期交流学習」は今年が初年度。高校生の課題探究力を向上させようと、昨年まで10年間グループ討議や発表を行った「龍谷アドバンストプロジェクト」(RAP)のノウハウを継承し、龍谷大学が今年から本格始動させた「仏教×SDGs」の概念を加えてリニューアルした。

龍谷大学の「仏教×SDGs」は、持続可能な社会の実現に向けて学生の意識を向上させ、ソーシャルビジネスの世界で活躍できる学生を社会へ輩出する狙いがある。

RAPの準備期間から10年以上携わってきた入澤崇龍谷総合学園理事長は、「RAPを発展させようと、『仏教×SDGs』の概念を加えた。生徒たちの社会貢献への意欲は高い。総合学園の基礎となる仏教と結びつけ、SDGsの目標年度である2030年以後は、龍谷総合学園がSDGsの概念をリードできる存在となることを目指したい」と話す。

またRAPでは、大学生以後を見据え、それぞれの学校単位で課題探究力の向上を目指したが、今回の夏期交流学習では、学校の垣根を越え、共通の課題に取り組むことを念頭に置いた。入澤理事長は「龍谷総合学園は単体では日本最大級のグループだが、利点を生かし切れていないと感じる。学校同士が〝コラボ〟することで社会の注目を集めることも可能となる。また、生徒らが社会に目を向け、進学した後に各大学等でリーダーとなってほしい。偏差値教育に傾きがちな学校教育の現場を変えるきっかけとなれば」と事業の意義を語っていた。

真宗大谷派名古屋別院 参拝接待所のロビーを増築

真宗大谷派名古屋別院

 

参拝接待所のロビーを増築

居心地のいい“現代の寺内町”を目指し

 

真宗大谷派の名古屋別院(藤井正芳輪番)は、今年2月から行っていた本堂下の改修と、参拝接待所ロビーの増築工事が順調に推移し、予定通り9月上旬に完了となる。

今回の工事は2016年に厳修した「名古屋教区・名古屋別院・宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」記念事業の追加工事として御遠忌募財を使用。御遠忌テーマ“ともに生きる―いのちのつながり”を念頭に、名古屋別院が“現代の寺内町”として再生され、より多くの人に別院の存在を知ってもらい、参拝者が快適に過ごせることを願っての施工となった。

近年、休日や縁日には参拝接待所ロビーの混雑が日常化していたことから、待合スペースを拡充し、志経所を本堂下奥に移動。またトイレの拡充や授乳室の常設など、居心地のいい空間を創出する。改修後の10月からは定例法話の時間を変更し、永代経参詣者や預骨申込者も法話を聴聞できるよう受け付け方法を工夫し、今年度の教化方針で掲げた“新たな公共空間を生み出す創造的な取り組みの推進”“良質な価値観の提供”の二つのキーワードの実現に向けて推進していく。

工事の完成を記念して、9月20~28日まで、参拝ロビー増築記念イベント「いいね!お寺」と題してさまざまな催しを行う。

▽20日12時10分(参拝ロビー)=名古屋音楽大学弦楽コースの在学生・卒業生が結成した「カルテットクレアーレ」の演奏によるオープニングセレモニー。

▽21日12時20分(本堂前)=豊田大谷高校ダンス部によるイベント。▽15時(東別院会館3階ホール)=山本理顕名古屋造形大学学長による「人生講座」。講題は「お寺はコミュニティー・スペースか―地域社会圏という考え方について」。

▽22日12時20分(本堂)=名古屋音楽大学演奏会 ▽13時(本堂)=東別院“伝道”芸能―さまざまな伝道のカタチ▽15時(参拝ロビー)=名古屋音楽大学演奏会。

▽23日12時20分(本堂)=名古屋大谷高校吹奏楽部による演奏会。

▽20~28日(参拝ロビー)=名古屋造形大学とお東幼稚園による作品展示。

▽20~26日=大谷婦人会呈茶(有料)、東別院「彼岸カフェ」、お彼岸縁日露店。

▽21~23日=ミーツオーガニックマーケット。

▽28日=東別院てづくり朝市。

http://www.ohigashi.net/news/detail/220

東福寺派即宗院 終活セミナーをお寺で開催

東福寺派即宗院

 

終活セミナーをお寺で開催

社会の流れに即したお墓のあり方を

 

樹木葬用の墓地を整備している臨済宗東福寺派即宗院は5日、「お墓のお悩み解決セミナー」を行った。お墓について悩みを持つ約20人が参加し、継承を前提としない「樹木葬」のあり方について学んだ。

樹木葬とは、生きた樹木を墓標とし、自然に還りたいという思いをかなえる葬法で、セミナーでは、山崎譲二NPO手元供養協会会長が講演した。山崎会長は、周囲の負担にならない、自分の納得するお墓のあり方を説明し、「困っている方々に客観的な解決方法を知ってもらい、自分に合った選択をしていただきたい」と語った。

セミナー後、杉井玄慎前住職が法話。(写真)自分の意志で生きていることと周囲の支えで生かされていることを説明し、「死ぬことは怖くない。自然の中に戻る楽しみもあり、安心もある」と伝えた。また樹木葬について、「自己を確立して来る方が多い。自分の納得する場所を決めていただきたい」と話した。

野宮神社 斎宮代は女優の湯川恭子さん

野宮神社

 

斎宮代は女優の湯川恭子さん

令和最初の斎宮行列

 

野宮神社(懸野直樹宮司)の第21回斎宮行列の斎宮代に、水戸黄門や大奥などに出演する女優の湯川恭子さんが選ばれた。(写真)10月20日の斎宮行列当日は、花橘色など色とりどりの色目を重ねた十二単姿で参進する。

湯川さんは、中学時代から吹奏楽やマーチングバンドなど音楽活動に取り組み、現在は地元嵐山のオリジナルソング「嵐山四季絵歌」を作詞するなど、地元貢献にも励んでいる。「選ばれたときはうれしかった。普段仕事で着ている着物より重いが、斎宮代を務める責任の重さだと感じている」と語った。

懸野宮司は、「斎宮代は毎年、嵐山の地に縁のある方に依頼をしている。斎宮行列は、参拝者との距離が近いため、とても喜ばれている」と述べた。

斎宮行列の運営に多大な協力をしている父親の湯川直樹嵐山通船社長と母親の容子さんは、「娘が選ばれるとは思っていなかった。とても光栄なこと」と笑顔で語った。

総本山善通寺 大師謹刻の「薬師如来像」を復元

総本山善通寺

 

大師謹刻の「薬師如来像」を復元

弘法大師御誕生1250年記念事業で

 

総本山善通寺(菅智潤法主)は、2023年に迎える弘法大師御誕生1250年記念事業の一環で、「薬師如来像」を復元する。

同寺は1558(永禄元)年の大火で諸堂を焼失したが、大師謹刻の薬師如来像の顔は今に伝承されており、最新技術を駆使して復元する。

「無病息災、延命長久などを願い、ぜひご縁を結んでください」と、同寺では広く浄財の寄進を呼び掛けている。

横浜善光寺留学僧育英会 第33回の留学僧を募集中

横浜善光寺留学僧育英会

第33回の留学僧を募集中

 

横浜善光寺留学僧育英会は第33回の育英僧を募集している。

横浜市港南区に善光寺(曹洞宗)を開創した黒田武志老師が、若い頃に海外で得た仏縁が自身の人間形成になったとの思いから、檀信徒の協力を得て、1984年に善光寺海外留学僧派遣育英会を設立。これまで 海外からの受け入れ、派遣は延べ136人に及び、巣立った留学僧は世界で活躍している。

派遣期間は4月から1年。滞在に要する経費ならびに往復旅費を支給。提出書類は、願書、卒業証明書等のほか、日本語の論文を論題から選んで提出。

育英会理事長の黒田博志善光寺住職は「国籍、宗旨、男女を問いません。仏道を通じて世界に貢献したいというグローバルな視野を持ち、仏教の興隆、世界の平和を実現したいという、道心堅固な人材に集まって いただきたい」と呼び掛けている。

締め切りは12月10日。

http://www.zenkouji.net/ikueikai/index.html

大本山成田山新勝寺 日中友好青少年書道交流団を派遣

大本山成田山新勝寺

 

日中友好青少年書道交流団を派遣

成田山全国競書大会の受賞者14人

 

大本山成田山新勝寺は、次世代を担う青少年に書道文化を通じて心の安らぎと、豊かな情操を養うことを目的として、1985(昭和60)年から小学生~高校生を対象に成田山全国競書大会を開催し、今年で第35回を迎えた。

また、併せて特別賞受賞者を書のふるさとである中国へ派遣。今回も岸田照泰寺務長を名誉団長に吉澤鐵之団長ほか、役員と受賞者14人と家族、指導者など総勢44人が8月3~7日に北京を訪問。

5日には、中国の青少年との「日中友好青少年書道交流会」に臨んだ。交流会では主催者を代表し岸田名誉団長が挨拶し、席上揮毫では、両国の生徒が同じ机の上で作品を書き上げ、互いの書法を学びあった。また、滞在中には故宮博物院や万里の長城などを訪問し、中国の歴史や文化を学んだ。

これまでに中国に派遣された受賞者は700人を超える。