月別アーカイブ: 2019年9月

総本山知恩院 エリアマップを発刊

総本山知恩院

 

エリアマップを発刊

周辺地域との連携も視野に

 

総本山知恩院は、おてつぎ運動の一環として「浄土宗総本山知恩院エリアマップ」を発刊した。(写真)地域との連携強化も視野に入れ、周辺施設の紹介や防災情報も盛り込んだ。19日から京阪電鉄祇園四条駅などで配布している。

マップは、広げると大判のポスターサイズになる冊子。浄土宗の教えを伝えるページや、知恩院の境内案内、緊急時の避難場所や問い合わせ先を通常ページに掲載。マップページには、青蓮院門跡や八坂神社など知恩院付近の宗教施設、古川町商店街や祇園花月、漢検漢字博物館など周辺の観光施設も盛り込んだ。

檀信徒向けに出しているガイドブックの刷新に合わせて企画した。観光客など浄土宗になじみの薄い人々に「知恩院がお念佛の聖地」であることを伝え、知恩院に参拝した人が周辺を含めて散策した思い出を持ち帰り、また知恩院に参拝したいと思うことを願っている。

また、知恩院周辺には観光施設が多く、個々にさまざまな取り組みをしているが、これまで互いの長所を活かしあった活動はない。知恩院は、周辺施設の掲載を目指した交渉の過程を、人的交流を深める契機とし、地域が一体となって取り組もうとする意識を育てようとしている。

来年に予定する御影堂の落慶法要を控えて営む放生会では、周辺の商店の人たちもお練り行道に参加することになった。マップを企画した九鬼昌司布教部課長は「観光客は知恩院だけを目当てに来るわけでなく、逆もまた然り。周辺の各施設が手を携えて多くの人を呼び込めば、地域がより活性化する。地域と一体となって取り組む関係を、さらに育てていきたい」と話した。

浄土真宗本願寺派 千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を修行

浄土真宗本願寺派

 

千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を修行

1300人が平和への願い新たに

 

浄土真宗本願寺派は18日、「第39回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」を国立・千鳥ヶ淵戦没者墓苑で営んだ。大谷光淳門主が臨席し、安永雄玄築地本願寺宗務長の導師で正信念仏偈を勤め、参拝した約1300人が平和への願いを新たにした。

同法要は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起こった9月18日に合わせ、1981年から毎年修行。全国の宗門関係学校の中高生2人が代表して作文を読み上げて「平和の鐘」を打ち鳴らし、東京教区の法中や教務所長ら約70人が出仕して法要を営む。宗派要職者をはじめ、国会議員らも数多く参拝する。

今年は神戸龍谷中学校1年生の進藤直大さんと、相愛高校3年生の勝山里音さんが作文を朗読。進藤さんは、フィリピンで戦死した曽祖父と、父の面影を求めてフィリピンのジャングルを訪れた祖父への思いをつづり、勝山さんは、いのちの尊さを訴えた。

石上智康総長は「平和宣言」で、現代に蔓延する自国第一主義に警鐘を鳴らし、ブッダの言葉を引きながら「仏智に教え導かれ、これを世界中に広く伝え、そのような生き方を積み重ねていくことで、平和への取り組みはより具体的なものとなる」と、国内外の貧困克服への取り組みを進めることを改めて呼び掛けた。

高岡教区の団体参拝で訪れた池内瑞雄円徳寺住職は、教区が前日に築地本願寺で開いた「平和を願うつどい」にも参加。「平和は願うだけでなく振る舞いが大切となる。歴史は繰り返してはならない。本当の意味での平和を実現するためにも、継続して若い世代に平和への願いを伝え続けねばならない」と語っていた。

妙心寺派定期宗議会 特別寺班調査会規定制定案を可決

妙心寺派定期宗議会

 

特別寺班調査会規定制定案を可決

10年に一度の重要議案

 

臨済宗妙心寺派は第137次定期宗議会(松浦明恭議長)を18~20日に開き、10年に一度の特別寺班調査に向けた規定制定案を全会一致で可決した。

重要議案のため、特別寺班調査規定制定案については議会休憩中に2度の全員協議会を開き、内容について慎重に話し合った。今議会で総務常任委員会に付託後、全員協議会で出た意見や質問内容を協議。10月に特別寺班調査会を立ち上げ、2021年2月の定期宗議会までに寺班調査結果を確定し、同年4月からの賦課金に反映させる予定。

今回の寺班調査会規定制定案は教区の査定を尊重し、教区調査会の権限を強化するというもの。部調査会は設置せず、支所長は教区調査会の構成員とし、部の状況説明や調整、意向を伝える役割を担う。本部調査会および教区調査会へ地域の状況に詳しい僧侶を助言者として採用し、寺院数が多い支所長の負担の軽減や来年6月の宗務所長交代で実情の把握が困難になる可能性に対応できるようにする。また、寺班等級決定の基準については、これまで同様、寺院収入を重視し、全体に占める割合の50%に設定。由緒伽藍に関する点数の割合は20%、檀徒・信徒数は30%とした。

委員長報告では、松山正宗決算委員長が要望事項を2点付して原案通り認定すると述べた。要望事項は、花園流無相教会会計決算について、「無相教会事業準備積立金の使用目的の拡充発展事業の早急な協議」と一般会計頒布事業会計決算について、「販売促進のため派内寺院に対し、妙心寺派直売店の積極的活用」とした。

2018年度宗派通常会計決算など20議案、5承認案を可決・承認した。18年度の妙心寺派通常会計決算は約10億6072万円。

栗原正雄宗務総長は決議録を受け取り、「宗制全般に対し、貴重な意見を賜り厚く御礼申し上げる。賜った意見、要望、提言等を踏まえ、内局職員一丸となって懸命の努力を致す」と述べた。

閉会に当たり、松浦議長は、妙心寺派僧侶による差別発言の問題について、人権問題にいっそう取り組むための意識改革へのきっかけと話し、特別寺班調査会規定制定案の審議については、「10年に一度の重要案件に活発な質疑を展開いただいたことに感謝する」と述べた。

曹洞宗萩の寺東光院 第52回萩まつり道了祭を開催

曹洞宗萩の寺東光院

 

第52回萩まつり道了祭を開催

三十三観音遷座入仏開眼も

 

曹洞宗萩の寺東光院(大阪府豊中市)は15~24日、第52回萩まつり道了祭を開催し、23日には「世界の恒久平和と人と自然との共生を祈る文化の祭典」を行った。今年は萩の寺が第12番札所となる新西国霊場の開創90年の記念すべき年として、6月には四天王寺への出開帳を行ったが、その祝祷式典として「三十三観音遷座入仏開眼」も営んだ。(写真)

令和の改元後、初めての道了祭では、大本堂での式典は各地での天災による被災物故者を追悼する黙祷と、地球への感謝の祈りを捧げる弦楽曲の奉納で幕を開け、村山廣甫住職による三十三観音の入仏開眼を厳修。中野寛成元国務大臣や太田房江参議院議員ら政財界人、真言宗御室派の森快隆葛井寺住職(大阪府仏教会副会長)ら他宗派からも来賓が出席し、盛大に法要を営み、恒例の大護摩供も厳修した。(写真)

長内繁樹豊中市長は「出開帳で改めて1300年の歴史を有する萩の寺を知ってもらうきっかけになった。日頃から文化芸術の継承と発展に力を注ぐ村山住職に敬意を表し、今後も豊中の魅力を発信していきたい」と挨拶。

多くの歌人が創作活動を行ったことでも知られる同寺では、期間中に「子規忌へちま供養」を行っているが、大塚高司衆議院議員は今夏の甲子園で豊中市の履正社高校が優勝したことを挙げ、「豊中は野球発祥の地。正岡子規は野球用語の翻訳語を作ったことで知られているが、履正社の全国優勝を機に、正岡子規と深い縁で結ばれた萩の寺が、高校野球文化を結ぶ地元の遺産として、また新たな物語が始まっていく予感がしている」と語った。

村山住職は「52年前、『世界の恒久平和と人と自然との共生を祈る文化の祭典』を打ち出したのは、当時の岸昌大阪府知事と原田憲運輸大臣だった。どちらも萩の寺の檀家や信徒で、日本や世界の行く末を見られていた。この祭の精神を体して、宗門や宗教界のために奉仕させていただきたい」と語っている。

真宗大谷派金沢別院 来年の御遠忌に向け、本堂等の修復完了

真宗大谷派金沢別院

 

来年の御遠忌に向け、本堂等の修復完了

本尊が2年ぶりに本堂へ還座

 

真宗大谷派金沢別院は20日、本尊還座式と本堂等修復奉告法要を営んだ。金沢教区・金沢別院では来年5月に厳修する「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」の記念事業として、2年にわたる本堂修復工事を行うため、仮本堂に本尊を安置していた。

金沢別院の本堂は、1962(昭和37)年の火災で全焼後、71年に鉄筋コンクリート造りで再建されたが、酸性雨や風雪害により銅板に損傷が目立ち、雨漏りによるシミなども発生していたことから、記念事業として改修を計画。2017年6月から東別院会館3階を仮本堂としていた。

今年6月27日に修復工事が完了。今回の還座式では本尊を輿に納め、雅楽の演奏を先頭に、新しくなったガラス張りの渡り廊下を通って本堂に安置した。

その後の本尊等修復奉告法要と相続講員物故者追弔会は、大谷修鍵役(信明院殿)を導師に営み、多くの寺院や門徒が参列。表白では、火災での焼失から本堂が復興し、さらに50年の月日を経た今回の修復工事完遂に触れ、修鍵役は「念仏の僧伽の歴史において、多くの御同朋御同行によって今に“浄土の真宗”が手渡され受け継がれていることを深く受け止めさせていただく」と述べた。

このたびの改修では4億7110万円余をかけて本堂屋根の約3万6000枚の銅板をふき替え、外壁や軒裏、本堂外部の飾り金物の改修も行った。また参詣席を従来の畳敷きからタイルカーペットに変更して椅子席とし、本堂南側にスロープを新設しバリアフリーを実現。トイレを新設するなど参詣者の使い勝手にも配慮した。さらに本堂と会館をつなぐ渡り廊下の改修や、山門から本堂に続く石畳、駐車場のアスファルトによる舗装整備も行った。

小林斉輪番(金沢教務所長)は「昨年2月に記録的大雪があり、9月には41mの強風が吹き荒れた台風21号もあった。その間、工事関係の皆さんが寝ずに番をしてくださり、共に見守ったこともあったが、無事にこの日を迎えることができた。50年前の出火による本堂焼失から復興したご門徒の御心を、今回の修復で改めていただき直し、後世に伝えていく大事な御縁をいただいた。今後、寺院や宗教を取り巻く環境がさらに厳しくなると思われるが、修復を支えてくださった意志を無駄にすることなく、いっそう精進していきたい」と修復完了への感謝を語っている。

真宗大谷派名古屋別院 快適で楽しく「いいね!お寺」

真宗大谷派名古屋別院

 

快適で楽しく「いいね!お寺」

現代の寺内町を目指して改修し

 

真宗大谷派名古屋別院(藤井正芳輪番)は、参拝接待所ロビー増築を記念した彼岸行事を28日まで行っている。藤岡巧名古屋教務所長らを招き、オープニングのテープカットを20日に行った。

3年前の御遠忌での浄財を活用し、記念事業の追加工事として参詣者の利便性を高めるため、手狭だった参拝案内スペースを拡張。また本堂下の手洗いを最新設備に改修し、快適に参詣できるようにした。

この整備事業は、別院教化テーマ「現代の寺内町を目指して」を具現化した。藤井輪番は、法話を聴聞する人が減少していると感じている一方で、実際の参詣者数の目安となる“賽銭”は増加傾向にあることに着目。これは大都市の中心部にあって心安まるスペースとなっている証しだが、「彼岸会にお参りに来た方々も含めて、参詣者が一時的な休息だけでなく、少しでも長く滞在できるようにしたい」と話す。

開かれている、快適である、楽しい場であることを常に発信し続ける意味を、行事テーマ「いいね!お寺」に込めた。

同別院では10月から試行的に永代経参詣者や預骨申込者には必ず法話を聞いてもらう。藤井輪番は「宗教界を取り巻く状況は楽観できるものではないが、まず多くの人に別院と縁を持ってもらい、その上で法に触れてもらいたい。そのために毎年の彼岸会法要にも、これまで縁のなかった人が参加できるようにと考えた。これからも模索し、多くの人が境内に足を踏み入れていただけるようにしていきたい」と話している。

20~28日の期間中、毎日さまざまな行事を行っており、例年を上回る参詣者で賑わっている。

六道珍皇寺 秋季寺宝展で地獄の観念を伝える

六道珍皇寺

 

来世につながるこの世の行い

秋季寺宝展で地獄の観念を伝える

 

臨済宗建仁寺派六道珍皇寺は、毎年恒例の秋季寺宝展を開催している。京都府指定文化財「参詣曼荼羅図」(桃山時代)や、「熊野観心十界図」(江戸時代初期)などを見に、関東や九州など、遠方からも多くの人が訪れている。

特別公開の展示内容は前期と後期で変わり、前期テーマは「冥界の裁き・救済の仏たち」。坂井田良宏住職は、堕地獄の観念が欠落しつつある現代を危惧し、「うそをつけば閻魔さまに怒られる、悪いことをすれば地獄に落ちるなど、道徳観を教える人や環境が今はない」とテーマの意図を説明。一休禅師の言葉「極楽は西方のみかは東にも北道さがせ南にあり」を紹介し、「極楽は己の心の中にある。現世即来世。この世の行いが来世につながると気付いてほしい」と述べた。

また、小野篁卿がこの世と冥界を行き来したとされる「冥途通いの井戸」「黄泉がえりの井戸」も特別に公開。漫画やアニメを通じて篁卿を知った人々で賑わっている。

今まで仏教や地獄などに関心はなかったが、テレビで同展示を知り、大分県から車で訪れたという田之岡広大さんは「雑誌などとは違って実際に見ると、地獄は怖いと感じた。日頃の行いを見直さないといけない」と語った。

前期の公開は21~23日、10月12~14日。後期は11月2日から始まる。

孝道教団 比叡山延暦寺へ団体参拝

孝道教団

 

比叡山延暦寺へ団体参拝

約500人が伝教大師の遺徳偲ぶ

 

孝道教団は13~16日、今年度の比叡山団体参拝を行い、随喜功徳者を含む約500人が、伝教大師の遺徳や、岡野正道初代統理、貴美子初代副統理を偲んだ。

東部や北部、青森別院の第一発は、初日に大講堂へ参拝した。岡野正純第三世統理が、根本中堂の旧称である一乗止観院の意味について「一乗は区別がないということ。止観は心を集中させて静めること。我々は誰もが仏性を秘めている。一乗止観院を建てられた伝教大師さまの心に触れて菩薩としての自覚を持ってほしい」と法話後、森川宏映天台座主を導師に法要を営んだ。

森川座主は「比叡山と孝道教団は、長くいろいろな面で交流がある。孝道山林の近くにある初代統理様と副統理様の供養塔にお参りいただき、世界平和への祈りと自身の1年間の生活への誓いをしてほしい」と述べた。小堀光實延暦寺執行は11月の一隅を照らす運動50周年の行事への参拝などを呼び掛けた。

孝道教団は現在の大講堂落慶時に聖徳太子像を奉献したほか、1万3000本の杉を植樹した孝道山林や孝順供養塔を建立するなどしている。比叡山への団体参拝は毎年実施し、大講堂の法要や浄土院参拝などを行う。今年は仁和寺や平安神宮などにも参拝した。

総本山醍醐寺 ICOM京都大会に協賛し

総本山醍醐寺

 

ICOM京都大会に協賛し

夜間拝観や仲田座主の講演も

 

日本で初めて開催されたICOM(国際博物館会議)京都大会を記念し、総本山醍醐寺は6~8日、三宝院の夜間公開と霊宝館の夜間入場を行った。

これまで特別公開をしたことはあるが、三宝院の一般的公開や、霊宝館の夜間入場は初めて行った。期間中は、博物館関係者と見られる外国人拝観者も多かった。

霊宝館では国宝を中心に重要文化財などを特選して展示し、日本の中でも抜きんでて多くの国宝級の法宝物を護持する醍醐寺をアピールした。

また7日には、仲田順和座主が「世界文化遺産醍醐寺~文化財の伝承」と題して講演を行った。

宗務総長時代から「活かされてこそ文化財」との信念のもと一貫して文化財護持に取り組んできた仲田座主は、醍醐寺が文化財を伝承してきた意義を最も知る立場であり、歴代の座主や役職者が伝承を守ってきた意味を披露。名宝を間近にしての講演は、国を超え、聴衆者の心に響いた。

聖徳太子1400年遠忌特別展 神奈川県立金沢文庫で11月17日まで

聖徳太子1400年遠忌特別展

 

神奈川県立金沢文庫で11月17日まで

太子信仰関連の名宝を公開

 

聖徳太子1400年遠忌特別展「聖徳太子信仰―鎌倉仏教の基層と尾道浄土寺の名宝」が21~11月17日まで、神奈川県立金沢文庫(横浜市金沢区)で開かれる。

2021年に1400年遠忌を迎える聖徳太子は、日本仏教に広く影響を与え、法然上人、親鸞聖人、一遍上人などが篤い聖徳太子信仰を持っていたことでも知られている。鎌倉中期以降には南無仏太子像(二歳像)や孝養太子像(十六歳像)など、信仰に基づく数多くの像が造立された。

鎌倉時代の聖徳太子信仰の中心に位置したのが、西大寺叡尊の真言律宗による活躍で、叡尊や弟子の忍性は四天王寺別当を務め、法隆寺などの太子信仰所縁の寺院の再興に携わった。今回の名宝展は広島県尾道市の名刹・浄土寺の全面協力のもと、真言律宗による太子信仰関連の遺品を一堂に集めて公開する。

主な国重文の展示は、浄土寺(広島県尾道市)所蔵の聖徳太子立像、孝養像、摂政像のほか、善重寺(茨城県水戸市)所蔵の聖徳太子立像、妙安寺(茨城県坂東市)所蔵の聖徳太子絵伝、元興寺(奈良市)の聖徳太子立像など。

観覧料700円。月曜日は休館。

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenji.html