大本山清水寺 暁天講座で杉谷妙法院門主が力説

大本山清水寺

 

平和のために宗教が貢献を

暁天講座で杉谷妙法院門主が力説

 

大本山清水寺(森清範貫主)は1~5日、恒例の暁天講座を行った。

2日目に講師を務めた天台宗の杉谷義純妙法院門跡門主は「平和と宗教」の講題で、WCRP日本委員会の前理事長として活動した経験を話した。

世界では、中世ヨーロッパのキリスト教二派による30年戦争や、中東紛争など、信仰が異なる民族間で争いが起こった歴史を紹介。

近年では特にボスニアヘルツェゴビナ紛争では、キリスト教(カトリック)、セルビア正教、イスラム教、ユダヤ教といったヨーロッパにおける主要な諸宗教を信仰する諸民族が混在して仲良く暮らしていた地で、戦いが起きた。これに対し、WCRP国際委員会は諸宗教者が集まる場所を提供し、対話を促した。その取り組みは紛争後の民族・宗教間の和解に向けたプロジェクトにもつながり、大きな成果を上げていることを説明。

また、日本では自身も関わった「比叡山宗教サミット」など、世界の宗教者の対話・交流を促進する動きが継続されており、徐々に世界にその精神が広がりつつあると語った。

杉谷門主は「諸宗教対話の現場では、決して大上段から問い掛けることはせず、まず相手の立場を尊重し、相手の話をよく聞き、相互理解を深めることから始める」と話し、聴講に訪れた人たちは興味深そうに聞き入っていた。