浄土宗あだし野念仏寺 創建1200年で特別拝観

浄土宗あだし野念仏寺

 

11月に今年限りの千灯供養

創建1200年で特別拝観

 

あだし野念仏寺(京都市右京区)は11月23、24日、開創1200年を記念した千灯供養と夜間特別拝観を計画している。

あだし野念仏寺は、弘法大師が五智山如来寺を開創したのが始まりで、その後、法然上人の常念仏道場となって現在に至る。毎年8月には「西院の河原」にまつられた無縁仏を供養する、千灯供養が行われることでも知られる。今月23、24日に営まれた千灯供養には、時折、激しい雨が降る中、多くの参拝者が訪れた。(写真)

「西院の河原」は、歳月を経て無縁仏となり、化野の山野に散乱埋没していた石塔や石仏を、地元の協力を得て1904年に整備。石塔・石仏は、極楽浄土で阿弥陀仏の説法を聴く人々になぞらえて配列し、墓前に多くのロウソクを灯して供養する千灯供養を毎年行ってきた。太平洋戦争中の物資不足で一時中断した時期もあったが、100年以上の歴史を持つ。近年は地域と一体となった活動となり、嵯峨美術短期大学の学生などがボランティアで街道沿いに並べたあんどんに灯をともす「愛宕古道街道灯し」も行われている。

また、創建1200年の記念事業として取り組んだ庫裏の落慶法要を9月22日に営む。原善應住職は「弘法大師が創建されてから1200年。記念事業として取り組んだ庫裏の改築が完了し、檀信徒にも集まっていただきやすく、また、お念仏しやすい環境となった。法灯を絶やすことなく、一人でも多くの人にお念仏を称えていただけるようにしたい」と話した。