西山浄土宗 拝観事業の拡大が具体化

西山浄土宗

 

拝観事業の拡大が具体化

隣接土地取得へ仮契約締結

 

西山浄土宗は19日、総本山光明寺の南東角に立地する料亭「いっぷく亭」の土地買収について、仮契約および手付金の支払いを終えた。大型観光バス駐車場に至る侵入路として利用する計画で、拝観事業の拡大を目指す。

構想では、隣接する福祉施設「竹寿苑」が数年後に移転新築する見込みで、この敷地を買収して大型観光バスの駐車場を整備する。これに先立って侵入路を確保することになる。

拝観事業の拡大は、総本山の収益を拡大し、本山会計からの回付金で宗財政の安定を図るのが狙い。宗財政は辛うじて黒字だが、将来的に賦課金を増額する必要があるため、負担軽減のために計画した。

総本山光明寺では近年、紅葉シーズンを中心に参拝者が増加しており、旅行会社からバスツアーの打診も増えている。また、光明寺の立地する長岡京市も、市内の観光化を推進する一環で西山浄土宗に協力を求めている。

一方で、光明寺には大型観光バスを駐車できる場所が少なく、一般車についても周辺住民の理解を得る必要があった。近年は、櫻井随峰宗務総長を中心に住民や行政などへ働き掛け、一定の理解を得られてきた。

また、「竹寿苑」移転後の跡地買収に向けて櫻井宗務総長が地権者との折衝を重ねているが、総長の任期中には完了しない見込みで、後継総長が引き継ぐ必要がある。