奈良県宗教者フォーラム 今こそ和の精神を

奈良県宗教者フォーラム

 

今こそ和の精神を

宗教宗派の垣根越え

 

第16回奈良県宗教者フォーラム(同実行委員会主催)が27日、立正佼成会奈良教会で開かれた。同フォーラムは、県内の宗教者が宗旨を超えて集い、現代社会における宗教の役割を考えるものとして2004年から毎年開催。今年は神道・仏教・キリスト教・新宗教合わせて29の団体から約130人が参加し、「日本のこころと宗教の役割」をテーマに学びを深めた。

基調講演では、庭野日鑛立正佼成会会長が「『和』の心を現代に」の演題で講演。和の精神はあらゆる宗教に共通する普遍的な価値であるとして、「神仏の願いを現代に実現していけるよう、たゆまず努力し精進していくのが宗教者の役割である」と述べた。また昨今の複雑化する社会情勢に言及。環境問題や自然災害、外国人労働者問題など課題は山積しているとした上で、「全体の構造自体はそれほど複雑ではない。問題間において、どうすれば和を築くことができるかという方向性を見定め、取り組むことに尽きるのでは」と述べ、現代社会における和の心の重要性を訴えた。

続いて各宗教の代表者による鼎談が行われた。神道からは樋口俊夫廣瀨神社宮司、仏教からは狹川普文東大寺別当、新宗教からは松本貢一立正佼成会近畿支教区長が登壇。コーディネーターは夛川良俊興福寺執事長が務めた。終始和やかな雰囲気で進行し、宗教宗派の垣根を越えた学び合いの場となった。