マドリードで「平和の祈りの集い」 小堀延暦寺執行が非核・平和へ訴え

マドリードで「平和の祈りの集い」

小堀延暦寺執行が非核・平和へ訴え

 

国や宗旨を超えた宗教者らの対話で世界平和を目指す「世界宗教者平和の祈りの集い」が9月15〜17日、スペイン・マドリードで開かれた。聖エジディオ共同体の主催で、今年が33回目。日本からは、天台宗などが参加した。天台宗は、小堀光實延暦寺執行を団長に、吉澤道人宗議会副議長ら10人の使節団を派遣。小堀執行が16日、「非武装と非暴力」のテーマで講演し、パネルディスカッションに参加した。

小堀執行は講演の中で、今年11月の来日が決まったローマ法王・フランシスコ教皇の「核兵器は人類の平和的共存の基礎にはなり得ない」という言葉を紹介。唯一の被爆国である日本の宗教者として、自国の核兵器禁止条約への参加や核廃絶を訴え、「私たちは『苦しみや痛みを自分の身に置きかえて考え、行動すること』という釈尊の教えに基づき対処すべき。世界の諸宗教が培ってきた叡智と教えの実践をもって、宗教者同士の絆を強め、相互理解することが世界平和をもたらす」と呼び掛けた。

パネル討議には、キリスト教やヒンドゥー教の宗教者らに加え、国連事務総長特別顧問のジェフリー・サックスコロンビア大学教授も参加。「武装解除は、地域社会として取り組まねばならない」と語った。

翌日は小堀執行を導師に、日本式で法要を厳修。法要後には、参加者らが集い、平和をアピールしながらマドリードの町を行進した。