臨済宗妙心寺派 僧堂のあり方を改めて考える

臨済宗妙心寺派

 

専門道場評席研修会を開催

僧堂のあり方を改めて考える

 

臨済宗妙心寺派は26、27日に専門道場評席研修会を開いた。同派を含む臨黄各派の12専門道場(僧堂)から長年修行を積んだ古参の修行者の評席12人が参加し、修行や僧堂生活などについて意見交換を行い、考えを深めた。

グループ討議では高齢者や心身に障がいがある人、トランスジェンダーの人に対する僧堂の配慮などについても話し合った。評席からは、受け入れは前提条件として、高齢者や障がいのある人について「僧堂に入る時点で報告をしてもらう必要がある」「生活の中で近しい人が判断をする」などの意見があがった。また、トランスジェンダーの人については、明確な答えに苦慮しつつ、「長期間の修行が難しい場合、安居会を利用する」「個人の事情を把握した上で、なるべく合わせた指導を行う」などが述べられた。

初日は、上沼雅龍総務部長と河合宗徹人権擁護推進委員会委員長の講義が行われた。上沼総務部長は、寺院経営の厳しい現状について言及。人口減少や高齢化による檀家の激減、空き寺の問題など、多角的な観点から講義を展開した。また、寺院と一般社会のつながりの希薄化を危惧。「僧堂では、社会に通じる人間を育てられているか?」と評席らへ今一度、問い掛けた。

河合委員長は、昨今問題となっている僧侶のヘイト投稿やあおり運転、暴行事件などに触れ、人権を学ぶ重要性を説明。「お寺の経営も大事だが、一番大事なのは人。『この和尚さんなら』と信頼されることが大切」と述べた。